それまで視界を遮っていた霧がいっきにはけ、その瞬間に星空がめいっぱいに広がったのです。

「自然と涙がこぼれて来て、思わず立ち止まってしまった。眠気も、霧と共に晴れた。『ああ、無事に雲を抜けることができて嬉しい。ありがとう』どうしてか、感謝しながら走っていた」『トレイルランナー ヤマケンは笑う』

初めて走りながら涙したというヤマケン。感謝しながら走ることで、体が本来の動きを取り戻しました。

やがて朝日が姿を見せ、美しいモンブランを照らすように。どこからでも見えるこのモンブランがまた、ヤマケンを勇気づけました。美しい風景に助けられ、風景に引っ張られるということを初めて経験したと振り返ります。

ヤマケンほどのランナーでも“初めて”が体験できるUTMB。そのまま入賞してしまうのがヤマケンの凄いところですが、それでなくても素晴らしいレースだったとのこと。単純に過酷なコースだっただけでなく、その大自然の美しさがランナーを謙虚にさせ、また、背中を後押ししてくれるのです。多くのトップランナーがUTMBを目指すのも納得です。

ゴール後にやってくる街をあげたお祭りに、是非、参加してみたいものですね。今年度もUTMBは8月に開催予定とのこと。いつかは、走ってみたいコースですね。