どんな親にも、「答えにくい質問」というものがあります。

「ドラッグはなんでダメなの?」「ゲイってなに?」「赤ちゃんはどうやってできるの?」

イギリスでは、こうした無邪気な難問への答え方についての本も出版されています。

著者で、子育てと家族関係問題の専門家として知られるミリアム・ストッパードさんはこのほど、インターネットや携帯電話、人種問題など、初版時には扱われていなかったテーマを加えた“21世紀対応”の改訂版を出版し、話題になっています。

ミリアムさんはいいます。

「すべての親には、それぞれ答えたくない質問、答えにくい質問というものがあるものです。それは性別によっても違います。

子どもの質問にたじろがずに答えられる親御さんに共通しているのは、子どもにとってわからないことを質問するという行為は、ほかのどんなことよりも価値があると知っている、ということなんです」

答え方のポイントは、すべてを話す必要はないということ。

「わたしは、子どもの質問に必ずしも完全に本当のことを話す必要はない、と考えています。子どもの年齢に応じて、その子が理解できる範囲のことを教えていく、という姿勢でいいのではないでしょうか。

ただ、気まずさや気恥ずかしさが理由で本当のことを話さないというのはダメです」

では、さっそくミリアムさんによる“模範解答”を見ていきましょう。

1:「わたし、なんでいじめられるのかな」

いじめは、かかわるものすべてを不幸にします。負の連鎖になり、ほかの子どもたちに広がっていきます。

いじめの加害者の行動は、ときにとても残酷で暴力的です。加害者はいじめをすることによって、自分の腕力や支配力を見せつけたいと思っています。そして相手の力を奪いたいと考えるのですが、そんなことは誰にもできません。

「だからあなたは、いじめを止めるために自分の力を使わなければいけない」そう子どもたちに話している、とミリアムさんはいいます。

子どもに伝えたいことは「いじめられているなら、そのことを必ず大人に打ち明ける」ということ。子どもが打ち明けてきたら、それを学校にも相談します。そうすれば、問題はみんなで分け合って半分になります。

もう一つ、親の経験を話してあげることも、子どもの助けになるもの。いじめられた経験や、ネットで友人同士のトラブルになった経験があれば、それをあなたがどう乗り越えたのか話してあげてください。いじめられているのが自分だけではないとわかれば、子どもは安心するでしょう。