(左から)レイ・リオッタ、ブラッド・ピット

ブラッド・ピットが、またもや新作を引っさげてカンヌ入りした。昨年『ツリー・オブ・ライフ』で見事、最高賞のパルムドールを手にしたピットの新作は、『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニク監督と再びコンビを組む『キリング・ゼム・ソフトリー(原題)』。ピットは、肩に届きそうな長めの髪に、薄手のジャケット、お気に入りのゴールドのネックレスというスタイルで公式会見に登場。ドミニク監督の作品で再び主演、プロデュースを兼任した経偉について「(ドミニク監督は)人間の行動や志向について、とてもすぐれた洞察力を持っている人だから」と語った。

そのほかの情報

本作のストーリーは、ある日、強盗がギャンブル場に押し入ったことから、ギャンブル場を仕切っているマフィアが、凄腕の殺し屋ジャッキー・コーガン(ピット)をプロの用心棒として雇うことに……。

本作のタイトル『キリング・ゼム・ソフトリー(原題)』は、“優しく殺す”という意味。主人公のジャッキーは、“近くで殺すと、殺される側は恐れて騒ぎ、母を呼んだり、お漏らしをしたりするなど恥ずかしい行動に出る。本人に気づかれないところから、予想もしない時に殺すほうがいい”という殺しのポリシーを持っている。この役を演じるピットは6人の子供をもつ父親でもあるが、映画の中で容赦ない殺しをやってみせることは「抵抗がない」という。「殺しはギャング映画につき物として受け入れられている。人種差別をする男を演じろと言われたほうが、よっぽど抵抗があるね」とも語った。

毎回、レッドカーペットの際にピットが同伴しているアンジェリーナ・ジョリーは、今年は欠席。残念ながら、「彼女は別の映画の準備で忙しい」らしい。8月に結婚するという説は本当かという質問には、真摯な表情で、「日取りは本当に、まったく決まっていないんだ」と答えた。『キリング・ゼム・ソフトリー(原題)』の日本公開は未定。