2010年、映画監督としてではなく「ビートたけし北野」として展覧会を開催したビートたけし。
その凱旋展がついに東京で開幕。世界のキタノの快進撃はまだまだ続く。

世界中の誰もが楽しめるアート×エンタテインメント

1947年、東京の下町に生まれたペンキ屋のせがれは、80年代、日本を代表するコメディアンとなり、90年代、世界的な映画監督への仲間入りを果たした。そして2010年、ビートたけしは、パリで「BEAT TAKESHI KITANO」の名で現代アーティストとしてデビュー。彼の絵画や映像作品、そして従来の常識を覆す一風変わったインスタレーションが、カルティエが運営するユニークな現代美術の殿堂・カルティエ現代美術財団を埋め尽くした。そのオープニングには、フランスの芸術文化勲章の最高位「コマンドール」を直接授与するために、ミッテラン文化相が駆け付けたという展覧会は、好評につき、会期が3ヵ月も延長されて6ヵ月ロングラン。子どもを含めた老若男女が、世界各国から訪れた。なぜカルティエ現代美術財団は、彼に映画作品に関連した展覧会ではなく、完全な現代アート展での作品発表をオファーしたのだろう?