(画像左から)青木豪、柳下大 撮影:源 賀津己 (画像左から)青木豪、柳下大 撮影:源 賀津己

俳優集団D-BOYSがシェイクスピアの喜劇『お気に召すまま』に挑む。上演台本と演出を担当するのは、過去2回Dステでシェイクスピア作品を手がけた経験をもつ青木豪だ。

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「D-BOYSと一緒に『ヴェニスの商人』、『十二夜』をやらせていただきましたが、シェイクスピアの悲劇ってどうしても主人公とその周辺しか目立たない。だからずっとD-BOYSとは一点の曇りもない喜劇をやりたいと思っていました」という青木。今回、公爵の娘・ロザリンドと出会い恋に落ちるオーランドーを演じる柳下大は、今回初の青木作品参加。「シェイクスピアは難しいイメージがありましたし、実際に観ても理解しきれずに終わることがあって。でも青木さんが演出をされたDステのシェイクスピアはまったく違う。ストーリーもキャラクターもとってもわかりやすいんです」

これまでの2作もわかりやすさを重視した作品づくりをしてきたという青木。今回も戯曲を大胆にカットし、宮殿と森というふたつの場面をより明確に区切ったという。キャストもその多くは一人二役を演じることで、原作の二面性を際立たせることを目論んでいる。柳下が演じるのはオーランドーのみだが、青木は「オーランドーは真面目だがちょっとおまぬけ。その二面性が出せたら」と語る。柳下自身は役について「僕はこれまで、二枚目とかかっこいい役を正面から演じたことって実はあまりないんです。どうしてもはすに構えたり、面白い方に走ってしまう。でも今回はひたすら二枚目、とことんかっこいい王子様を演じることに注力したい。オーランドーの一生懸命な姿が周りからしたら滑稽に見える、という形になれば成功だと思います」と話した。

オーランドーが恋に落ちるロザリンドを演じるのは、前山剛久。男性が女性役を演じるだけでもねじれているのに、さらにロザリンドは身分を隠すために男装をして登場する。しかもオーランドーはその男装姿にまで恋をするのだ。そのひねくれた恋愛感情について青木が「オーランドーはとことんロザリンドの顔が好きなんだろうね」と笑うと、柳下は「僕はべつに前山の顔は好きじゃないけど……(笑)」と苦笑。さらに「顔を好きになってしまったら性格は後回し、というのは共感できるので、そこから演技のきっかけをつかみたい」と取材陣を笑わせた。D-BOYSならではの、ポップでわかりやすいシェイクスピアが見られそうだ。

公演は10月14日(金)より東京・本多劇場にて開幕。11月19日(土)から兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールでも上演する。一般発売に先駆けて、チケットぴあでは先行発売を実施。東京公演は7月28日(木)より先着先行販売がスタート。兵庫公演は8月1日(月)午前11時まで抽選先行を実施中。

取材・文:釣木文恵

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