4:妻に裏切られた…

「妻の浮気に気づいたとき『こんな女とは離婚したい!』と強く思いました。でも、世間体や子どもたちのことを考えると、踏み切れずにいます。ぼくもいい年のオジサンですし、再婚できるとは限りませんから。妻からは謝られ『もうしない』と宣言されましたが、今も関係が続いているような気がします」(40歳/商社)

一度の過ちを許すか、許さないか――。個々人の思想によるところが大きいですが、裏切られたとショックを受けて、離婚を検討する男性もいるでしょう。

最後は、妻と離婚したい気持ちが芽生えたものの、「やっぱり離婚したくない」と感じて踏みとどまった男性に聞いたエピソードを1つご紹介します。

5:味気ない関係になった

「3年前くらいでしょうか。妻とは男女の関係もなくなり、単なる同居人のような状況になっていました。会話内容も子どもに関することだけ。ぼく自身、話したいことも、彼女への興味もなくなっていたんです。

自分はこのまま死ぬまで、こうして彼女と連れ添うしかないのかと思うと、いたたまれなくなり別居婚を提案しました。自分が家を出て、会社近くにマンションを借りる生活です。

最高だと感じたひとり暮らしは、1ヶ月も経たない間に終わりました。やっぱり寂しい、と気づいたんです。それに妻がいてくれるありがたみも、恥ずかしながらようやく感じるようになりまして。あのとき離婚したいと思い別居したことは、いい経験だったと思っています」(45歳/金融)

ちょっといい話……? 個々のエピソードや声を読み解いていくと、男性が離婚をチラッとでも考えるのには「結婚当初とは明らかに変わった妻」の姿がおおいに関係している様子。人として日々、進化していくことも大事ですが、「離婚したい」と思われたくないなら「(いい意味で)変わらない努力」も必要なのかもしれません。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。