IDC Japanの3Dプリンタ市場分析予測、造形材料と関連サービスが伸びる

2016.7.29 14:42配信
3Dプリンタは法人向けと関連サービスが伸びると予測

IDC Japanは7月28日、国内における3Dプリンティング市場の2013年から2015年の実績と2016年から2020年の予測を発表した。2014年に注目された一般消費者向けは落ち込む一方で、法人向けは着実に売上を伸ばしており、保守サービスなどの関連事業は拡大傾向にあるとした。

2015年の国内3Dプリンティング市場の総売上額は344億8600万円で、前年に比べて104.4%成長した。ただ、3Dプリンタ本体の売上は141億1100万円と前年比67.5%と落ち込み、出荷台数も7900台で79.8%のマイナス成長となった。

IDCでは、50万円以下の3Dプリンタを一般消費向け(デスクトップ3Dプリンタ)と定義しており、2015年の売上は前年比59.1%の9億2500万円、出荷台数は80.7%で6300台となった。本体以外の関連事業は、2015年の売上が118億3300万円で162.1%の急成長、造形材料の売上も177.3%と大きく成長した。

今後の3Dプリンタ市場は、全体では成長するものの、デスクトップ型は減少傾向からの回復は難しいと予測する。デスクトップ型は、一般消費者の「3Dプリンタは何でも作れる」というイメージと、手間のかかる現実との乖離が激しく、その反動で成長は難しいとした。2014年にイメージ先行のブームが起きたが、一過性のものだったとした。

日本では、海外と違い、3Dプリンタ教育が普及しておらず、普及の下地が固まっていないことも、デスクトップ型が落ち込む要因となっている。法人向けは、大学などに導入するケースがみられるのに対し、比較的価格の低いものは、中学校などへの導入を狙うが、「基礎学習と並行して学ぶ理由がない」と後ろ向きだ。

3Dプリンティング関連サービスは、今後も大きな成長が見込める。個人または企業から3Dデータを受け取り、依頼元に代わり、三次元造形を有償で行う三次元造形受託サービスは、製造業の試作などの断続的な需要が期待できるほか、3Dプリントサービスの利用が拡大するとみられる。現在、三次元造形受託サービスについては秋葉原のDMMが大きなシェアを持っているという。

樹脂フィラメントや金属、石材などの三次元造形材料に関しては、今後も大きく成長していくとみられる。法人向けの市場が拡大するにつれ3Dプリンタの技術が向上し、使える素材も増えていくことが大きな要因となる。デスクトップ型の使い方について海外と比較すると、ガレージキットの1つとして使われるなど、部品を作るイメージに対し、日本ではフィギュアを造形するなど特殊な事例が多いという。

IDCの菊池敦アナリストは「本体市場は関連サービスが支える形で成長してきた。2016年度以降はインクジェット方式が伸びてくる。これは、いくつかの2Dプリンタ企業が参入し、すでにフルカラーを謳う企業も出てきており、それに伴い3次元造形市場もともに伸びていくと考えられる」と、市場全体では今後の動向は明るいと予測した。

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