東急ハンズ新宿店で11月15日まで実施している企画「レトロゲームセンター」

昔懐かしい「ゲームセンター」が目に浮かんできそうな売り場が、東急ハンズ新宿店の7階、エレベーターを降りてすぐの場所に現れた。40代後半~50代にとっては懐かしく、「名古屋撃ち」や「上上下下左右左右BA(隠しコマンド、通称コナミコマンド)」などの意味が分かる人にとっては垂涎ものの「新宿レトロゲームセンター」だ。

ミニスーファミやプレイステーションミニなど、懐かしの家庭用ゲーム機が次々と小型化して復活したのは記憶に新しい。みんなで集まって楽しんだ思い出がよみがえった人もいるはずだ。同時に思い出してほしいのは、家以外にもみんなでゲームを楽しめる場所があること。大きなきょう体が並ぶゲームセンターだ。実は、ミニ化復刻の波はアーケードゲームにも及んでおり、「新宿レトロゲームセンター」に各種レトロゲームの復刻版が並んでいる。

レトロゲームセンターを企画・実施した、東急ハンズ新宿店のバラエティ・シーズンイベント担当バイヤーの海老原章氏は、「平日の夕方や休日は、売り場に入りきらないほどの人が集まる。順番待ちが発生し、列の整理が必要になるほど注目を浴びている」と語る。

東急ハンズ新宿店の7階(バラエティコーナー)にゲームセンター

エレベーターから歩いていくと、最初に目に入るのは「ギャラガ」「スペースインベーダー」「パックマン」をそれぞれ収録した、3台の家庭用ゲームきょう体「ARCADE1UP」。昨年発売した、アーケードゲームきょう体を4分の3サイズで再現した組み立て式のゲーム機だ。店頭で自由に遊ぶことができる。記者も試しにプレーしようと思った際、無意識に小銭を探してしまうほど完成度が高い。

税別の価格は4万1000円。持ち帰りも配送も受け付けている。店頭に並んでいるのは3台だが、ほかにも「アステロイド」「メジャーハボック」「ルナランダ―」「テンペスト」を収録したモデルと、「センチピード」「ミリピード」「ミサイルコマンド」「クリスタルキャッスル」を収録したモデルを取り寄せで販売している。

その裏手には、さらにレトロな「ATARI TABLE PONG」を設置している。普段はスピーカー付きテーブルとして利用し、手元の操作盤を開くとPONGをプレーすることができる。税別価格は53万8000円。取り寄せで販売している。イスのみの販売も受け付けている。

また、テーブル版インベーダーゲームを参考出品している。一昔前、喫茶店に導入されていたきょう体を再現したモデルで、2020年発売予定だという。

このほか、手のひらサイズの「レトロアーケード」や「ポケットプレイヤー」、ゲーム中に出てくるキャラクターなどをデザインした洋服や雑貨といったグッズを販売している。SNSで話題を呼んだ「↑↑↓↓←→←→BA(上上下下左右左右BA)」をあしらったTシャツも販売している。

インバウンド需要を見込む

レトロゲームセンターに設置されているゲームは全て無料なので、収益はきょう体やグッズが売れた場合にのみ発生する。海老原氏によると、普通の売り場にした方が売り上げは伸びるそうだが、「当店には、売り上げを伸ばす売り場と来店する楽しさを提供する売り場がある。レトロゲームセンターは後者で、いらっしゃったお客様に何かのヒントをつかんでもらえるような売り場を目指した」と、狙いを語る。

「訪日客の間でレトロゲームが話題になっており、海外からのお客様にも今回の企画は大変人気で、インバウンド需要の取り込みにも一役買っている。今回は、ラグビーワールドカップの開催時期と被っていたので、観戦のついでに当店に寄った人もいたと思う。2020年には、さらに大きなスポーツの祭典がある。これに向けても、何か企画したいと考えている」という。

「40代後半~50代男性の皆さま必見!!」としているが、売り場には、老若男女を問わず集まっている。同イベントは、11月15日まで実施しているので、気になる人は足を運んでみてほしい。(BCN・南雲 亮平)