インディ・ジョーンズ in コンサート リハーサルの模様 インディ・ジョーンズ in コンサート リハーサルの模様

名作映画をオーケストラの演奏とともに大型スクリーンで鑑賞できる「シネマオーケストラコンサート」が今年も日本上陸。これまで数々の作品が来日し、約100名によるオーケストラの生演奏で、一味違った感動を伴って名画を楽しめると人気の公演だ。この夏は、スティーヴン・スピルバーグ監督の傑作『インディ・ジョーンズ レイダース/失われたアーク《聖櫃》』と『E.T.』の2作品が上映される。

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いずれも作曲家は、『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』シリーズなど、約50年にわたりアカデミー賞ノミネート計50回記録している、巨匠ジョン・ウィリアムズ。スピルバーグ監督とは40年にわたりタッグを組み、数多くのヒット作を生み出してきた。今回の2作品は、スピルバーグ監督がヒットを連発していた頃の、ジョンにとっても黄金期の作品だ。

公演直前の8月3日、都内某所で行われたリハーサルに潜入。指揮者は、昨年の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で来日したニコラス・バック。映画の映像が流れるモニターと、分厚い楽譜を目の前に据え、映像と演奏をリンクさせることに心を配りながら、東京フィルハーモニー交響楽団を巧みに導いていった。

この日のリハーサルは『インディ・ジョーンズ』。「聖櫃」をめぐりナチス・ドイツと対決する息つく暇もないハラハラドキドキのストーリーとあって、展開の激しいドラマティックな楽曲が続く。作品の高揚に合わせるように高いボルテージをキープしながら、ニコラスはテンポよく、細やかに演奏者たちに指示を与える。時にメロディを口ずさみ、時に足踏みでリズムを取り、絶妙な演奏には「ブラボー!」「ベリーグッド!」と賞賛し、情熱的にオーケストラを引っ張っていった。

長時間にわたるアクションシーンでは、映像さながらに指揮者とオーケストラが競い合っているよう。全身を使ってダイナミックにタクトを振るニコラスに、演奏者たちは必死に食らいつく。演奏だけでも手に汗を握るこの緊張感。本番はさらなる興奮を味わえるはずだ。この日、『E.T.』のリハーサルを見ることはできなかったが、子どもたちと異星人が交流する感動のシーンを思い浮かべれば、『インディ・ジョーンズ』と対照的な胸を打つ演奏で楽しませてくれるだろう。

「インディ・ジョーンズ in コンサート」は8月5日(金)・6日(土)、「E.T. in コンサート」は8月6日(土)、7日(日)に東京・東京国際フォーラム ホールAで開催。8月12日(金)には大阪・大阪フェスティバルホールで開催される。チケット発売中。

取材・文:門 宏