「鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>」製作記者発表会

太鼓芸能集団・鼓童が パフォーマンスを行い、ロベール・ルパージュが演出を手掛けるNEW BEAT VISION PROJECT「鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>」の世界初演・全国巡演が2020年5月にスタートする。その製作発表会見が行われた。

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本プロジェクトは、1981年にベルリン芸術祭でデビューし50か国6500回以上の公演を行う太鼓芸能集団・鼓童と、シルク・ドゥ・ソレイユ「トーテム」などを手掛け“映像の魔術師”と呼ばれるロベール・ルパージュがコラボレーションし、日本文化と最先端ビジュアルテクノロジーが融合する、これまでにない“視聴体感芸術”を生み出すというもの。

会見では、まず鼓童の母体である北前船の代表・青木孝夫が本作について「鼓童の音、映像、お客様の想像力、その三位一体でつくりあげる、今までに観たことのない、感じたことのないような視聴体感芸術をお届けできると確信しています」と挨拶。演出のロベール・ルパージュと、音楽を担当する住吉佑太(鼓童)によるクロストークでは、住吉が「本作に限らず、私たち鼓童が舞台で表現したいものは“人の本能に訴えかける何か”です。今回はそこにロベールさんによるテクノロジーを使った演出を掛け合わせ、作品をつくっています。そのふたつは真逆の存在のようですが、テクノロジーが入ることで逆に生身の人間が浮き彫りになっていく、より強くお客様に伝わっていくものを作りたいと思っています」、ロベールは「かねてから私は鼓童の作品づくりに感心していました。厳しさと規律の中に身を置きながら鍛錬されている。鼓童のステージは、音だけでなく動きや身体、そしてそこから発するエネルギーまでもが表現されています。今回は“音”と“イメージ”のインタラクティブな作品ですが、それだけでなく、その“動き”も取り入れています」と語った。

その後、「音を見る(サイマティクス)」をテーマにしたライブパフォーマンスを初お披露目。住吉が「サイマティクスという事象をただ再現するのではなく、自然の中から生まれる音、文明の中から聞こえてくる音、自分たちの鼓動の音、魂の音、そういったものがすべて可視化できるかどうかが鍵になってくるのではないかと思っています」と語った通り、映像と音をただ掛け合わせるのとは違う、鼓童の太鼓、そしてその奥にある本質的な魅力が、テクノロジーによって可視化されるような、これまでにない表現が印象的。“音を見る”面白さを体験できるパフォーマンスとなっていた。

鼓童×ロベール・ルパージュ<NOVA>は2020年5月23日(土)から31日(日)まで東京・東京建物 Brillia HALLにて上演。12月15日(日)の一般発売に先駆け、12月2日(月)11:00まで先行抽選申込受付中。

取材・文・撮影:中川實穗