渡部篤郎イラストは今回が初。増刊号等も含めると総計1300枚を超える及川正通氏の作品ラインナップにまたひとり加わったことになる。

同一雑誌の表紙イラスト制作で世界一長いキャリア、としてギネスブックにも登録されているイラストレーター及川正通氏が、久しぶりに映画をテーマに「ぴあ」の表紙イラストを描き下ろした。作品は6月2日(土)に公開される『外事警察 その男に騙されるな』で、主演の渡部篤郎をメインに、劇中でキーとなる登場人物を演じる真木よう子の姿も。初めて実写背景を組み合わせての新しい試みも取り入れた、「ぴあ」冠がついた約1年ぶりの“新作”となる。

文字要素を外した“作品”としての原画画像

昨年の7月に、インターネット時代の本格的な到来により情報誌としての“役目”を終えたということで休刊した雑誌「ぴあ」。誌面で提供していた映画、音楽、演劇等の情報は引き続き各種インターネット媒体で提供されているものの、40年弱に渡ってその時々の“エンターテインメントの旬な顔”を描き続けていた及川正通氏の作品はいま、定期的に発表はされていない。

今回、新作発表の“場”となったのは電子BOOK型の情報提供サービス「ぴあ+〈plus〉」の特別号。かつての雑誌「ぴあ」を髣髴とさせる体裁で、及川氏ならではの単に“似せる”だけではない独特な視点での特徴の捉え方や描き方は健在だ。テーマとなった『外事警察 その男に騙されるな』は、09年にNHKで放送されたテレビドラマの映画版。日本の公安を題材に、かなり踏み込んで“裏の裏”の世界をリアリティを持って描いており、“公安が生んだ魔物”とまで呼ばれる主人公の複雑なキャラクターを演じる渡部の演技も、ドラマ版を含め評価が高い。イラストは、その主人公住本と渡部本人の雰囲気を絶妙に組み合わせた作品に仕上がっている。

「ぴあ+〈plus〉」は最新HTML5を活用した電子BOOKサービスのため、専用アプリをインストールせずとも、PC上はもちろん、スマートフォンやタブレットでもブラウザだけで閲覧可能。また、今回の表紙の原画は、渋谷・東急百貨店本店7階、MARUZEN&ジュンク堂店内「NHKスクエア渋谷」で5月26日より展示される。

『外事警察 その男に騙されるな』
6月2日(土)全国公開