そしてボスを倒せばカードが引けて、新たなモンスターや主人公の装備する武器防具が手に入ったりする。やっとこれでゲームが一周だ。城下町に施設を作ったり、モンスターが近隣の土地に攻めたりするのにはそれぞれ時間とコストがかかり、これらをいろいろやりくりしながらゲームを進めていくことになる。また、主人公がダンジョンに行くのも1日4回。

施設を作るために足りなくなった木材を、遠征先でモンスターが獲得してきてくれたり、それぞれのゲームパートが消耗品やパラメータでつながっていて、それを把握しながら、まさに「やりくり」って感じで回していくのだ。定期的にクエスト(課題)を出してくる秘書みたいなやつがいて、最初はそいつに従っていればゲームが理解できるようになっている。
 

この秘書が、あるんだかないんだか…謎の多い微妙なストーリーを時々ちょっと口にしたりして、その押し付けがましくない姿勢は、そこらへんのファンシーキャラクターよりも断然かわいらしいと思ったな。

ソーシャルゲームにハマっている人は、時間とともに回復する体力が切れたりして、それをすぐに回復するためには有料アイテムが必要だったりするので、何個かのゲームを同時に遊ぶことによってローテーションを組むことが多い。Aのゲームの体力回復待ちでBをやって、それが切れたら今度はC、そしたらAがある程度回復してるから遊ぶ…って感じ。

「キングダムコンクエスト」はそれを1つのゲームの中でやってるような感じだ。町づくり、進軍、ダンジョン探索など各パートでゲームジャンルがズラしてあるので飽きも来にくく、単一の世界観にずっと入っていることができるのでゲームに愛着もわきやすい。今後はこういう、SNSサービス自体が1つの共通した世界観をもったゲームになっていたり、大型のソーシャルゲームもどんどん登場してくるかもしれないね。
 

「キングダムコンクエスト」はメールアドレスの登録のみで無料で遊べ、一部のアイテムなどが有料。iPhone用Android用がリリースされている。

【参考サイト】
キングダムコンクエスト公式サイト
スマホ向けオンラインRPG「Kingdom Conquest」が世界累計300万DLを突破

かやま・てつ 漫画家、ゲーム作家。自作のインディーズ出版者ごっこ「ドグマ出版」で自分に漫画新人賞を与えてデビュー。著書に『ランチパックの本』など。mixiやmobage、GREEなどのゲームアプリや、iPhone向けのゲームも制作。公式HP