「プレミアムサービス」の契約内容を見直す

ソリューションサービス販売を強化し、3期連続で営業利益を更新してきたピーシーデポコーポレーション(PCデポ)が、インターネット上で広がったユーザーの小さな声をきっかけにサービス内容の見直しに迫られた。

8月17日、PCデポは月額会員制の保守サービス「プレミアムサービス」の契約に関する見直しを発表した。同日から運用を開始した。

改善点は主に二つ。使用状況にそぐわない「プレミアムサービス」、その他の関連サービスの加入者に対し、コースの変更、契約の解除を無償で対応する。また、新規加入者が70歳以上の場合、原則、家族または第三者の確認をもらうこととし、加入後3か月以内ならば、コースの変更、契約の解除を無償で対応する。

これまでは75歳以上の場合、加入後1か月以内のコースの変更、契約の解除を無償で行っていたが、年齢を70歳に引き下げる。なお、契約解除にあたり、レンタル提供を受けている商品は返却する必要がある。

また、今回の見直しの直接のきっかけとなった、Twitterのツイートに端を発したPCデポが提供しているサービス内容や契約などに対するインターネットユーザーからの批判を受け、社長直轄の300名規模のプロジェクトを組織化し、教育、運用、管理監督などを強化する。

見直しにあたって、「お客様の安心・安全のためのサポート強化を第一に邁進するとともに、引き続きお客様にわかりやすい対応を図っていく」とコメントしている。

PCデポの「プレミアムサービス」は、他社購入商品を含め、ユーザーが所有するパソコン、スマートフォン、タブレット端末などのスマートデバイスを対象とした月額会員制の有償サポートサービス。デジタル機器の操作に不慣れな初心者や高齢者をターゲットに拡販を図り、高収益の原動力となっていた。

月額料金は、対象端末の台数やサポート範囲によって変わり、更新月以外の解約には、所定の契約解除料がかかる。税別月額5500円の「ファミリーワイドプラン」(下記の料金表の1番)では、最大10台まで、初期設定、ネットワーク設定、セキュリティ対策などのサポートを提供する。

PCデポは、デジタル機器のネットワークトラブルなどに対応するサービス販売に重点を置いた「ピーシーデポスマートライフ店」への転換を進めており、8月現在の店舗数は計28店舗。5月に発表した連結決算では、こうしたサービス販売が売上高の約半分、47.6%を占め、物販以外の新たなビジネスモデルが軌道に乗っていたところだった。(BCN・嵯峨野 芙美)