あなたのノートPCをもっと快速・快適に! 換装で圧倒的なSSDのパフォーマンスを体感した

2012.5.29 12:40配信
トランセンドの「2.5" SATA III 6Gb/s SSD720シリーズ」(64~512GB)

愛用しているPCが、どこかモッサリとしてきたと感じたことはないだろうか。PCは使えば使い込むほどに動作が重くなっていくもの。アプリケーションの起動、OSの操作、ファイルのコピーなどの作業で重さを強く感じるようになってくる。顕著なのが「起動の遅さ」で、「明らかに購入時よりも起動が遅くなった」と感じている人は決して少なくないはずだ。こうした重さを解消してくれるのが、SSD(ソリッドステートドライブ)だ。

●高速、耐衝撃、バッテリ駆動時間の向上とメリットが多いSSD換装

最近の急激なSSDの普及でSSDの価格が下がったこともあって、ノートPCのHDDをSSDへと換装する人が増えている。HDDのように物理的な動作機構がないので、衝撃に強く、動作音もなく、読込みスピードが速い。また、若干ではあるが、HDDよりSSDの方が駆動機構がないぶん消費電力が低く、1~2割程度のバッテリ駆動時間の向上が期待できる。こうした大きなメリットを、手軽に実現できる環境が整ってきた。

ノートPCの裏ブタを開けるという作業は、初心者だとちょっと臆してしまうかもしれないが、心配することはない。要領さえわかっていれば難しくはないし、メモリの交換や増設をしたことがある人なら、そう苦労せずにできるはずだ。

一つ大きな障壁となるのが、HDDからSSDへのデータの移動、いわゆる引越しだ。SSD換装を機に、再びOSをインストールし直す、という人にはあてはまらないが、多くの場合、これまで使ってきたHDDの環境を丸ごとSSDに移行したいと考えているはず。そこで必要なのが、HDDの内容を丸ごとコピーしてSSDに移行する「引越しツール」だ。

SSDが急速に普及しつつある現在では、ディスクイメージを丸ごとコピー・移行できるバックアップソフトやデータ転送用ケーブルなど、データ移行キットが付属したり、自社のダウンロードセンターからデータ移行ソフトをダウンロードできるようになっていたりする製品もあるので、事前にしっかり確認しよう。

●パフォーマンス低下に悩むPCのSSD換装に挑戦

では、HDDからSSDに換装する事例として、ごく最近行った『週刊BCN』編集長の谷畑良胤のノートPC「Lenovo ThinkPad X201i」のケースを紹介しよう。谷畑編集長は、PCのローカルディスクにPower Pointや記事の文書ファイル、Excelファイルなどを大量に置いている。

日々増え続けるファイルによる影響なのか、HDDの経年劣化が進んだ影響なのかは定かではないが、最近は業務に支障を来すほどにパフォーマンスが落ちていた。出社時や外出先でPCを起動する際、電源ボタンを押してからログイン画面が表示されるまで1~3分近くの時間を要する。

「やる気満々でPCの電源ボタンを押しても、ここまで時間がかかってしまうとみなぎっていた気分も一気に削がれてしまう」と谷畑編集長。そこで、現状打開に向けた対策として採用したのがSSDへの換装だった。

今回、谷畑編集長が選んだのは、トランセンドの「2.5" SATA III 6Gb/s SSD720」(256GB)。最新のI/FであるSATA IIIに対応した2.5インチのノートPC向けSSDで、6bg/sの転送能力と強力なコントローラーを組み合わせ、最大読み出し速度550MB/秒、最大書込み500MB/秒という驚異的なパフォーマンスを発揮する。

まさに、システム全体の深刻な速度低下に悩む谷畑編集長の理想にかなうSSDといえる。これが現状打開の決定打となることを期待し、同一のノートPCで、HDD搭載時とSSD搭載時でのパフォーマンスの相違を検証した。

●SSD換装完了! 圧倒的なSSDのパフォーマンス

換装後、最初にやらなければならないのが、HDDからSSDへの引越し作業だ。今回はフリーのドライブコピーソフト「EaseUS Todo Backup Free 4.5」を用いてドライブのクローニングを行った。トランセンドによれば、このほか「Acronis Migrate Easy 7.0」の動作確認が取れているという。

テストはHDDやSSDなどのストレージの性能評価などでよく使われる「CrystalDiskMark 3.0.1」を使っての読み書きテストのほか、10GBの大容量ファイルのフォルダ間コピー時間、そして電源OFFの状態から電源ボタンを押し、デスクトップ画面が表示されるまでの所要時間を計測した。

さて、結果である。

いずれの項目も、値が大きいほど高いパフォーマンスであることを示す。その差は圧倒的だ。「Sequential Read」や「Random Read」では、4倍もの差となって現れている。実際、ベンチマークソフト自体がテスト項目を進めていくスピードも、SSDのほうが圧倒的に早さを感じる。

10GBのダミーファイルを作成し、デスクトップ上に作成した「A」というフォルダから、同じくデスクトップ上に作成した「B」というフォルダにコピーを行った際の所要時間を計測した。「CrystalDiskMark 3.0.1」を使ったベンチマーク以上に、その差は歴然。10GBの大容量ファイルなので、SSDといっても5分近くの時間がかかると思っていたが、まさか1分台でコピーが終わってしまうとは……。ただただ驚きである。

谷畑編集長が最も悩んでいたコールドスタートからの起動は、3分の1近くまで短縮という圧倒的な差となった。  SSD換装後、マシンをひと通りの操作してみても、アプリケーションの起動と終了、ウィンドウの切替え、日本語変換、マウスボタンやキー入力に対するあらゆるレスポンスなどが向上しているのを体感できた。決して大げさな表現ではなく、「これが同じマシンなのか」という言葉が自然と口をついて出る、その性能向上は劇的で、誰の目にも明らかな効果を得ることができた。

●「やる気に全力で応えてくれるマシンに生まれ変わった」

SSD換装後のマシンを一日使った谷畑編集長に感想を聞いた。

──最も効果があったと感じた部分はどこでしょう。

谷畑 文章の入力フィールですね。PCの用途のなかで最も多くを占めるのがテキストエディタを使った記事執筆ですが、漢字変換の遅延がなくなり、はっきりと体感できるほど快適になりました。加えて、「Windows Liveメール」の送受信処理も快適になったポイントの一つ。例えば、HDD環境のときは届いたメールに返信する際、返信画面の立ち上がりに1分程度を要していたのですが、SSDではその遅延がなくなり、瞬時に必要な画面を呼び出せるようになった。非常に快適ですね。

──そのほかには?

谷畑 講演資料や会議資料をつくるためにPowerPointを多用するのですが、保存したPPTファイルを開く際、以前だと、サムネイルをすべて開き終えるまでに数分間を要していました。これがSSDに換装したとたん、40ページのPPTを数秒で開くことができるようになった。これは驚きでしたね。また、図版の制作などでも、これまではうんざりするような重さを感じていたのですが、SSD環境では非常に快適。Excelファイルについても同様です。制作作業をこれまでにない軽快にできるのは、実にありがたい。やる気に全力で応えてくれるマシンに生まれ変わったことで、(ThinkPad X201i)への愛着も一段と高まりました。

ちなみに、今回チョイスした「Transcend 2.5" SATA III 6Gb/s SSD720」は、最新のインターフェースであるSATA IIIに対応。もちろんインターフェースをサポートしていないSATA環境でも使用できるが、SATA III環境なら、そのパフォーマンスをすべて引き出すことができる。SSD購入の際には、この点に留意して製品を選んでほしい。

思った以上に手軽で効果も大きいSSDへの換装。特に谷畑編集長のケースは、HDDの環境の深刻なパフォーマンス低下に陥っていたこともあり、より高性能な最新マシンに買い替えた場合と同等以上の効果があった。今回チョイスした「2.5" SATA III 6Gb/s SSD720」は、256GBタイプで実勢価格2万円台半ば。費用対効果は非常に高かった。現状のマシンのパフォーマンスに不満を抱えている方は、ぜひSSD換装を試してもらいたい。(ITジャーナリスト 市川 昭彦)

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