自分たちが自信を持てるカッコいいヴィジュアル系をやろう

MeteoroiDマチ 撮影:NORI

——DIR EN GREY辺りから得てるなんとなくの知識感が(笑)。

マチ:(笑)。DIR EN GREYさんの世界観は物凄く好きです。でも、俺達が思いっきりああいうスタイルに全力投球するってなるとやっぱり違うというか。その世界観で生きていけるメンバーもいれば死んでしまうメンバーもいたり。

帝(Gt)くんの加入と共に新体制に移行したんですが、帝くん、絶対前任のギタリストと比べられることになるじゃないですか。前任のギタリストのゆとりもすごく個性があったから、帝くんの音楽性とルックスを一番活かして戦う形にしたかったし、俺たちも今までとは違ったスタイルにチャレンジしたかった、でも、そんな中途半端な知識で探り探りとりあえずの“コテ系”を無理してやっててもなにも伝わらないと思って、吹っ切れたんです。

「キラキラ系とかコテ系よりも好きなことやろうよ。自分たちが自信を持てるカッコいいヴィジュアル系をやろうよ。」みたいな。

——楽曲の良さありき、ライヴの良さありきってところに立ち返ろうと。

マチ:新体制始めて半年ぐらいは旧体制の曲はほぼやらなかったし、旧体制の頃のファンは足が遠のいた人がかなり多いです。戸惑いの声もたくさん届いたし、こういう言い方であってるか分からないけど、もともとファンでいてくれた人のことを裏切ってしまったと思ってます。

メンバーの中で言ったら幻鬼(Vo)さんも一番苦しかったと思うんですよ。俺たちが「こう演じてほしい」ってどんどん言っちゃってた部分があったんで。今はそういうところにとわれずにやれています。

——でも、それってMeteoroiDとファンが純粋にバンドが好きで、音楽が好きだったことの裏返しですよね。すごく乱暴だけど、「だいたい同じメンバーが同じ楽器演奏してるんだから、別によくない?」って考え方もできちゃうと思うんですよ。

マチ:そういう考え方もできるのかもしれないけど、MeteoroiDはそうじゃなかったですね。ライヴの空気感や、楽しい雰囲気をすごく大切に思ってくれてたからこそ離れたファンが多かったと思います。離れたって言い方は違うか。「俺たちがファンを離した」が正しいかもしれません。もともとのファンが求めてたものを提供してあげられなくなってしまうわけだし。

例えば俺もSNSで積極的に発信するようになったし、メンバーの個性すらも変わってしまったように感じた人もいると思う。その分、新しくMeteoroiDを好きになってくれた人もたくさんいるんですけど。

陰の仕事も、ファンの子達が喜んでくれるなら

——ストイックなメタルギターヒーロータイプの帝さんや、明るいキャラでダイナミックなステージングのraLさん……。今のMeteoroiDって旧体制の時以上に一人一人個性が確立されてる印象があるのですが、その辺を話し合われたりはするんでしょうか?

マチ:お、そんな風に見えてるもんなんですね。うちはマネージメントがいなくてほぼ完全に自主でやってるんですけど、キャラ立ちとか個性については各自好きなようにかな。ヴィジュアル系ですし、ルックスのイメージや衣装についてはもちろんバンドで話し合いますけどね。

——今、規模が小さくても、すぐに事務所に所属するヴィジュアル系バンドは多いですよね。そんななか、自主でマネージメントしていくってものすごく大変じゃないですか?

マチ:大変ですね。「絶対所属したくない!」みたいな気持ちがあるわけでは全然ないのですが、もっとバンドの規模が大きくなってからでも良いと思ってます。例えば、ツアーの宿の確保からグッズの発注まで全部自分たちです。

そういう陰の仕事も苦に思ったりもするけど、でもファンの子達が喜んでくれるならって感じかな。自由にやれるし。ヴィジュアル系って衣装やメイクもある分、普通のバンドよりやることが多いけど、やっぱりヴィジュアル系が好きだから頑張れてます。