「ソニッケアー」シリーズの2016年新製品ラインアップ

フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、充電式電動歯ブラシ「ソニッケアー」シリーズの新製品として、歯ぐきケアに特化した「ソニッケアー ガムヘルス HX8931/11」を、小泉成器を通じて9月上旬に発売する。価格はオープンで、税別の実勢価格は1万5800円前後の見込み。

オーラルヘルスケア ジュニアマーケティングの佐々木栄美マネージャーは、「2010年から15年の5年間で電動歯ブラシと替えブラシの市場は金額ベースで約47%の成長を記録した」と説明。歯に対する健康志向の高まりを追い風に、今後も継続的な成長が期待できる分野だと位置づける。

「『ソニッケアー』は開発当時から歯科衛生士と連携していた歴史があり、現在も、その開発環境は引き継がれている」(佐々木マネージャー)。その結果、日本の歯科医・歯科衛生士の使用率で8年連続No.1(POHC 2015 Dental Tracking Research調べ)を獲得。プロからの高い評価が一般ユーザーのシェア拡大につながっている。

新製品の「ソニッケアー ガムヘルス」は、歯周病対策に特化。これまで欧米開発のモデルを日本でローンチしていたが、今回は、日本法人の意見をもとに開発した。佐々木マネージャーは「歯周病は、日本の消費者の口腔内の悩みのトップで、約29%が経験している。欧米の約15%と比較すると、圧倒的に多く、国民病といえる」と、“日本人のための”電動歯ブラシであることを強調する。

特徴は、歯周病ケアに効果的なモードとブラシ。「ガムプラスモード」は、通常のブラッシング時に設定する「クリーンモード」の刻むような細かい動きではなく、“叩く”ような振動でやさしく歯ぐきのケアが可能。二つのモードはそれぞれ3段階で強弱の調整ができ、合計6パターンの組み合わせを用意する。

歯ぐきにやさしい高密度の毛先を採用した「プロリザルツガムヘルス ブラシヘッド」は、長めのブラシ毛を中央に配置することで、磨き残ししやすい歯と歯ぐきの境界にぴったりフィット。歯周病の原因になる歯垢を効果的に除去する。

発表会では、誠敬会クリニックの内科・歯科の田中真喜氏が、歯周病のリスクを医師の観点からレクチャー。「歯周病の最も恐ろしいのは『Silent Disease』と呼ばれ、自覚症状がない点。知らぬ間に進行し、口腔内だけでなく体のあらゆる部位に影響をもたらす」と警鐘を鳴らした。

日本で歯周病が多い一因の一つは、予防のために歯科を定期受診する患者が少ないこと。2014年(平成26年)の厚生労働省の調査では、日本の総人口のわずか2.6%にあたる、約331万5000人しか定期受診していなかった。「多忙な日本人は、なかなか通院の習慣づけは難しい。セルフケアでの予防が重要だ」と田中氏は訴える。

このほか、2016年秋の新ラインアップには、ディープクリーンモードを搭載した「ダイヤモンドクリーン ディープクリーン エディション」、四つのモードや舌磨きブラシが付属する「フレックスケアープラス」、初心者用の「イージークリーン」を用意。また、「プロリザヘルツ ガムヘルスブラシ」は替えブラシ単体でも販売する。

替えブラシは、フィリップスのどの電動歯ブラシでも利用できるが、「まだブラシの使い分けはあまり浸透していない」と、佐々木マネージャーは課題を挙げる。舌磨き用も含めて、現在7種類の替えブラシを揃える。ブラシだけ交換しても効果を得ることができ、その日の気分や体調に合わせたブラシ交換は、効果的なだけでなく経済的だ。「ソニッケアー」ユーザーには、替えブラシの活用もおすすめしたい。(BCN・大蔵 大輔)