それは、厳格型には、持って生まれた身体的特徴や才能や性格といった遺伝的なものが大きく影響するということです。

厳しく鍛えれば誰でも成功すると言うわけではないのです。

上記6タイプの子育て方法について調査した研究の結果では、幼児期に父親や母親から適切なサポートを受けた<支援型>の子どもが“高学歴、高所得で、早死にすることも少ない”とされています。

ただ、 研究では、厳格型の子どもも、高学歴・高収入を得られるとしています。

これは、礼儀正しくルールを守るようにしつけられていれば、社会の中でそれ相応の扱いを受けるため当然と考えられます。上司から可愛がられ出世するということもあるでしょう。

反面、ルールや規律を守るということは、どうしても好奇心に乏しく、型にはまった考え方しかできなくなるとも言えます。

今の時代に求められる、自由でユニークな発想やアイデアなどは、厳格親に育てられた子どもは苦手でしょう。

組織の中で生きていくことはできても、自分自身の力で自由に生きていくことはなかなか難しいかもしれません。それが、支援型との大きな違いです。

支援型の子どもは、何事にも前向きになれ、チャレンジを恐れず人生を楽しめる確率が高い、ということなのです。

自ら<虐待型><放任型>であると答えた親たち…

アンケートでは、自ら虐待型・放任型と答えた親も約5%に登りました(虐待型3.53%・放任型2.35%)。

おそらくこのように答えた親の多くは、厳密には、平均型なのではないかと思います。

いい親になりたい、ならなければという気持ちはあるけれど、育児本に書いてあるような理想的な親像からは程遠い。子育ての自信がなくて自分はダメ親だと思っているのでしょう。

本当の虐待親なら、親としての自分を顧みることもなく、虐待していることにすら気づかないことも多いです。
よく言われるように、虐待の連鎖で、自分がそのように育てられてきたから、そうしているだけと言うケースも多いのです。 

放任型の親は、年齢的に若く、まだまだ自分が楽しみたいという気持ちが強いのかもしれませんね。授かり婚で仕方なく子どもを産んだというケースもあるでしょう。

でも、どちらにしても、自分で虐待型や放任型だと自己申告できるような親なら、いくらでも変われます。

なぜ<支援型>の親が最も多かったのか

このアンケートでは支援型の親が多いという結果がでましたが、理由は明らかです。

このような子育て記事に注意を向ける親は、それだけで意識の高い親だと言えるからです。

時代によって、社会が求める人材も変わりますから、推奨される子育て方法も変わっていきます。 人として大切なことは変わりませんが、未来を見据える目も必要です。
支援型の親だけが本当にいい親とも限りません。

さて、これからの世の中、子どもの将来にとって本当にいい親とはどんな親なのでしょうか?

あなたはどんな親になりたいですか?

「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」