3つの時期には子どもに安心を与えるべし

ーーその3つの時期の会話が大事、とのことですが、親は子どもに対して何をしてあげればいいのでしょうか?

「先ほども言ったように、この時期の子どもは自分の居場所に戸惑ったりして、不安定な状態にあるんです。とくに現代は情報もどんどん新しいものに変わっていくし、昔に比べて親自身もみんな忙しそうにしていますよね。

そこで親がしてあげることは、安心を与えてあげることです。自分自身を含め、たくさんのものが大きく変化を遂げる中で、やはり子どもも変わらないものに安心を感じます。

『あなたは変わっていくけど、お父さんとお母さんは変わらずあなたを愛しているよ』と伝えてあげることが大事。

足場がガタガタで不安定だと、上手に背伸びしたりジャンプしたりできないでしょ?

それと一緒で、不安を抱えたままだと上手に自分を成長させることができない。

その3つの時期に正面から子どもに向き合い、会話をすることで、成長の足場を提供してあげることが大切なんです。」

ーーもし、その時期にきちんと子どもと向き合うことをしなかったり、ずさんな向き合い方をしたりしてしまうと、結果として子どもはどのようになってしまうのでしょうか?

「安心感がなく、不安が内在化したまま大人になっていくんですよね。

自分ときちんと向き合えなかったことによって、自分が何者かわからないとか、自分が何をしたいのかわからない、という心の問題はその後の出会いとか恋愛とか、そういったもので乗り越えていく場合もあるのですが……。ただずっと不安を抱えていると、体に出てきちゃうことがあるんですよ。

実は僕が、20年以上カウンセラーをやっていて、最も感じたところがそれなんですよね。

心臓疾患だとか、自己免疫疾患のリウマチだとか、そういった症状の人の心を掘り下げていくと、潜在意識の中でずっと不安を抱えていたなんてことが多いです。」