『外事警察 その男に騙されるな』

渡部篤郎主演の映画『外事警察 その男に騙されるな』が6月2日(土)から全国公開されるのを前に、本作を手がけた堀切園健太郎監督が作品に対するこだわりについてコメントした。

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『外事警察 その男に騙されるな』は、日本の国益を守ることを任務として活動する警視庁公安部外事課、通称“外事警察”の実態を描いたサスペンス・エンターテインメント。亡国から濃縮ウランと軍事機密データが流失したことから、日本での核テロの可能性が高まり、住本(渡部)ら外事四課が、テロ工作員の妻・果織(真木よう子)をスパイに仕立て、危機を未然に防ぐべく行動する様を描いている。

その存在を決して知られることなく活動し、時に相手を極限状態に追い詰めていく外事警察の姿を描いた本作は、圧倒的緊張感と、クールな画作りで観客を惹きつける。公開前に実施された試写会でも、上映後のアンケートで多くの観客が本作を『ダークナイト』や、『ユージュアル・サスペクツ』、海外ドラマ『24-TWENTY FOUR-』と似ていると回答。この結果に堀切園監督は「これらの作品は観ています。脚本作りの打合せで参考にさせてもらった」とコメント。

しかし、本作は単に海外のサスペンス、クライム作品を模倣しただけの作品ではないようだ。堀切園監督が目指したもの。それは“外事ノワール”だ。「香港ノワールだったり、フレンチノワールと呼ばれるもの。映画で言えば『インファナル・アフェア』だったり、『リード・マイ・リップス』や『サムライ』など、自分たちなりの“外事ノワール”なるものを作ろう、とスタッフとは話していました。“闇(ノワール)”はテーマのひとつであり、各登場人物が抱える心の闇だったり、組織の闇、国家の闇などを映像上で表現しようとしましたね」という。

ノワール映画は、裏社会で生きる男たちの生き様をダークトーンの映像と緊張感あふれる演出で描き、多くの映画ファンを魅了してきたジャンルだが、その奥底にあるのはアクションでもサスペンスでもなく、普遍的な人間の心理やドラマだ。堀切園監督は、「内容的にはドラマ放送という枠での限界を越えるべく、“さらにディープ”にネタを掘り下げ、“さらに怖く!”を目指しました。でも、根っこは人間ドラマ。この立ち位置を見失わないように意識しましたね」と降り返る。息詰まるサスペンスと、その奥に浮かび上がる深い人間考察。本作は、これまでに観たことのない“ノワール劇”を見せてくれるようだ。

『外事警察 その男に騙されるな』
6月2日(土)より全国ロードショー