この夏休みに試した「DrivePro Body 52」

身につけるデバイス、ウェアラブル機器。なかでもウェアラブルカメラは身につけた状態で使えるので両手が空き、作業しながら撮影するのにはピッタリだ。オートバイや自転車に乗りながら撮影したりトレッキング(山登り)の様子を自分目線で撮影したりなど、スポーツの場面でも活躍する。そこでこの夏休み、トランセンドジャパンが7月に発売したウェアラブルカメラ「DrivePro Body 52」を試してみた。

トランセンドの「DrivePro Body 52」の特徴の一つが「タフさ」だ。IPX4の防水/防塵性能に加え、ミル規格(米軍落下試験規格)をクリアし、-25°にも耐えうる強じん設計。ハードウェア的なスペックは同じで、第三者からのデータ改ざんを防止するセキュリティ機能を搭載した上位機種「DrivePro Body 52P」は、警察や消防、警備員などのハードな現場向けに販売しており、信頼性は抜群。これならアウトドアシーンで安心して活用できそうだ。

装着しやすさにこだわる カメラを小型化したセパレートタイプ

身につけやすいよう、カメラユニットと本体をケーブルで接続するセパレートタイプになっている。バッテリやストレージ、操作部などを本体にまとめることでカメラユニットがコンパクトになった。クリップを付属しているので、例えば洋服の胸ポケット、シャツの合わせ部分、襟や袖などに取り付けることができる。360°回転する付属のクリップをうまく使うことで、専用のマウントがなくとも、さまざまな場所に取り付けることができる手軽さも魅力の一つだった。

今回のレビューでは一般的な自転車、いわゆる「ママチャリ」の前カゴ部分にクリップで取り付けた。前カゴだとハンドルからやや離れているため、走行中にカメラユニットに触れることができない。だが、セパレートタイプなのでケーブルで接続した本体を手元に持って録画や停止の操作ができるのは便利だった。さらに、操作もシンプルで、本体のボタンは電源ボタンと録画/停止ボタンの二つだけ。撮りたいときにすぐに録画を開始できた。

ソニーのイメージセンサとF1.8の広角レンズで迫力のある映像を

では、さっそく撮影してみた。ソニーの「Exmor」センサを採用し、フルHD(1920×1080ピクセル)で毎秒30コマの撮影ができる。レンズはF1.8と明るく、日陰でも明るく撮影できるのはもちろん、夜間撮影でもノイズの少ない映像を撮ることができた。また、F値が小さいので、ピントが合っている範囲はクリアに写りつつ、後ろが自然にぼける印象的な動画が撮影できる。画角は130°と広く、カメラの前方だけではなくサイドまでしっかりと捉える。

自転車に取り付けて撮影したところ、サイクリングを疑似体験できるような臨場感のある映像に仕上がった。またクリップを袖に付けて撮影したら車窓の景色のように、後ろに流れる映像になった。手軽に装着できるので、いろいろなところに付けてぜひちょっと変わった映像を撮影したい。

スマホ連携機能を搭載 ライブビューに対応

もちろんスマートフォン連携機能も搭載している。転送スピードの速いWi-Fi接続に対応することで、録画や停止の操作だけではなくライブビューやストリーミング視聴ができる。とはいえ、走行中にライブビュー視聴をするのは危険なので、画角のチェック程度にとどめた。

では、ストリーミング視聴の方法を紹介しよう。まずは連携するスマホやタブレットに無料の専用アプリ「DrivePro Body」(Android/iOS版)をインストールする。スマホの設定で、「Wi-Fi」を選択し、Wi-Fi機能をオンにし、接続機器である「DriveProBody 52」を選択。初期のパスワードはパッケージに入っているので、それを確認しながらパスワードを入力する。事前準備はこれだけだ。

後はアプリを起動すると、録画の操作画面が出てくる。ここで録画や停止の操作ができるが、ストリーミング視聴をする場合は、その下のフォルダマークをタップする。これで撮影した映像をスマホで確認できる。

モバイルバッテリで充電ができる

本体に1530mAhのリチウムポリマーバッテリを搭載し、フル充電時には最大3.5時間の録画が可能だ。内蔵ストレージは32GBで、フルHD画質で約4時間録画できるという。ストレージがいっぱいになる前にバッテリが尽きてしまう計算だが、モバイルバッテリと付属のUSBケーブルがあれば、外出先でも「DrivePro Body 52」に充電ができ、撮影を再開できる。なお、充電しながらの撮影はできないので、休憩時間などにこまめに充電するといいだろう。

ボタンを押すだけですぐ録画を開始する使い勝手のよさと、F1.8の明るいレンズで明るい映像が手軽に撮影できる「DrivePro Body 52」。難点を上げるなら手ブレ補正機能を搭載せず、ブレがそのまま映像に影響してしまうことだろう。

しかし、例えば手ブレ補正機能を搭載したソニーの「アクションカム HDR-AS300」は税込み4万円前後なのに対し、「DrivePro Body 52」は税込みで1万8000円前後と約半額。手ブレ機能がない代わりに価格を抑えているので、お手軽だ。耐衝撃と防水性能を備えたタフ設計なので、撮影シーンを選ばないのもメリットだ。発想次第で面白い映像を撮影できるカメラとなりそうだ。

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