あれほど流行った塩麹だが、
「もうブームは終わった」とささやかれているという。
書店の料理本コーナーには塩麹の本が大量に並んでいるものの、
塩麹そのものはもう下火らしい。
ひねくれ者の私などはブームとは関係なく、いまも塩麹を愛用させてもらっている。
いいものはいい。流行なんて関係ない。

塩麹の前に流行したのが、ラー油だった。
倉敷にある「おいしいものブティック平翠軒」では、
ラー油が脚光をあびるずっと以前から、全国のラー油を扱ってきた。

ブームのさきがけになった「辺銀食堂」の石垣島ラー油。
京都は「山田製油」のごまらあ油など、各地で作られた“地ラー油”が平翠軒に並んでいた。
だが、まさかラー油が注目される時代が来るとは、
平翠軒の当主、森田昭一郎さんもまったく想像しなかったはずだ。

その後、やってきたのが食べるラー油ブームだった。
平翠軒でも食べるラー油を扱うようになったものの、
あまりにも人気が出すぎたせいでメーカーも生産が追いつかず、
平翠軒でも品薄状態が続いた。
「だったらオリジナルを創ろうじゃないか」
倉敷にある食品メーカー「倉敷鉱泉」の石原信義社長の協力をあおぎ、
開発にこぎつけたのが、五穀豊穣らー油である。