夏はさっぱりとサラダにかけて食べる手もある。
あるいは冷やしたキュウリに五穀豊穣らー油を和えてもいい。

 

絶宅では、夏はそうめんのお世話になる機会が多い。
そうめんのつゆに五穀豊穣らー油をたらして食べても旨そうだ。
しらす干しをごま油で炒め、五穀豊穣らー油を和える。
そのままでも十分旨いが、ふりかけにしてもおいしい。

 

ボウルに刻んだ大葉とミョウガを入れ、五穀豊穣らー油を混ぜる。
これに薄く切った刺身用のタイを和える。
大葉やミョウガのような和風ハーブといっしょに五穀豊穣らー油の香りも愉しむ。
爽やかな香りが心地良い。
節電の夏にふさわしい食べ方かもしれない。

食べるラー油がブームだった頃、石原さんは週に一度、五穀豊穣らー油を作り、
平翠軒におさめていた。
現在は半月に一度のペースになったという。
ブームが去ったいまだからこそ、食の職人も丁寧に作ることができるようになった気がする。
いいものはいい。流行り廃りなど関係ない。
塩麹ともじっくりとつきあっていこうと思っている。

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。