家電量販店など小売業全般で10月は消費増税後の反動減に見舞われた中、コンビニエンスストアだけが売上高で前年同月比3.3%増となり影響を免れた。経済産業省が11月28日に発表した商業動態統計(10月速報)からは、同省が推進する「キャッシュレス・ポイント還元事業」の後押しもあり小売業の中でコンビニだけ好調だったことがデータから明らかになった。

同統計は百貨店・スーパー、コンビニ、家電量販店、ドラッグストア、ホームセンターなどの販売額をまとめたもの。10月の小売業の販売総額は11兆900億円で前年同月比7.1%減だった。9月は増税前の駆け込み需要で9.2%増だったことから、10月は反動減の影響が出た形だ。

しかし、業態別にみるとコンビニエンスストは1兆314億円で3.3%増と好調だったが、その一方で家電量販店は2659億円で14.2%減、百貨店は4265億円で17.3%減、スーパーは1兆312億円で3.7%減、ホームセンターは2550億円で7.1%減と軒並み前年を下回り、ドラッグストアも5325億円で0.1%増とかろうじて前年を上回る程度だった。

経産省の報告書でこの要因についての具体的な言及はないが、コンビニだけが9月の駆け込みもなく10月がさらに前年を上回ったのは、10月1日から実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業」の影響であるのは明らかだろう。

政府の同事業はスマートフォン(スマホ)決済などキャッシュレスで支払えば5%や2%を還元する中小企業向け景気対策で、キャッシュレス決済の普及も狙っている。中小企業が対象だが、大手小売業の中ではコンビニだけが2%還元となった。

もっとも、コンビニのFC店は同事業の2%対象となり、直営店の2%還元は本部が負担しているため、コンビニが同事業の仕組みにうまく乗ったととらえることもできるだろう。

コンビニの売上高の内訳は、ファストフード・日配食品(0.7%増)や加工食品(1.8%増)、非食品(10.2%増)といずれも好調だった。サービスによる売上高は6.0%減だった。

家電量販店の内訳は、カメラが28.5%減と大きく落ち込み、続いて10月1日の電気通信事業法の改正による通信と端末代の完全分離の影響を受けたスマートフォンなどの通信家電が27.4%減だったほか、生活家電(17.6%減)、AV家電(9.6%減)、情報家電(7.6%減)といずれもマイナスだった。

百貨店は、主力の衣料品全体(21.6%減)をはじめ飲食料品(5.8%減)などで前年を下回った。スーパーは衣料品(19.7%減)や身の回り品(15.6%減)、飲食料品は0.6%減など全般的に伸びを欠いた。

ドラッグストアは調剤医薬品(8.9%増)と食品(7.4%増)が好調だったが、化粧品・小物やトイレタリー、健康食品などが前年割れとなった。

ホームセンターはインテリア(12.7%減)や園芸・エクステリア(11.9%減)、家庭用品・日用品(10.6%減)など前年を下回った。(BCN・細田 立圭志)

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