当時、あまりループを得意としていなかった村上さんが、羽生さんに飛び方を聞いたところ、「ループはしゅっ! て跳べばいいんだよ」とアドバイスされたようです。非常に感覚的なものだったので、村上さんもうまく飲み込めなかったようです。また、それを知った中野さんも「わけがわかんなかった(笑)」とのこと。

一流のスケーター同士は「しゅっ!」といった感覚的な話がかみ合うかと言えば、そうでもないようですね。

さらに、もう一人。ループを得意としているスケーターとして大庭雅さんがいます。彼女にもループの跳び方を教わった村上さん。こちらもまた変わった返答がされたようで、困惑したといいます。大庭さんのアドバイスはこう。

「空気を読めばできる」

え……。

「しゅっ! て跳べばいい」も「空気を読めばできる」も、どちらも難しすぎますよね。「みんなに『どうやって跳ぶの?』って聞くんだけど、ループの時はなぜか、よくわかんない説明されるんです」と同書で語られています。

いよいよ始まるフィギュアスケートですが、各選手がどのようにジャンプしているのか注目しながら観戦してみてはいかがでしょう。