リオオリンピックで銀メダルを獲得した、女子レスリングの吉田沙保里選手。銀メダル獲得したものの「霊長類最強女子」とも言われる吉田選手としては、決勝戦で敗れた後は号泣する姿が見られました。

銀メダルでも素晴らしいことなのに、「ごめんなさい」と泣き崩れる姿は、今大会の印象的なシーンだったのではないでしょうか。

吉田選手が負けるはずがない――。多くの日本人や、レスリング関係者はそう思っていました。今回の敗戦は吉田選手にも、レスリング界にとっても大きな出来事。目の前に敗戦がつきけられ、銀メダル獲得であっても、本人は決して納得はしていませんでした。

最強選手だから故に、敗戦のインパクトは大きくなる。吉田選手には過去にも同じような出来事がありました。

2008年1月にワールドカップ国別対抗戦が開催されました。それまでの吉田選手の戦績は、2001年に山本聖子さんに敗れてから誰にも負けずに公式戦119連勝中。また、国際大会でも27大会連続優勝中でした。

外国人選手に一度も負けたことがありません。そして、その時の国別対抗戦での相手は、ほぼ無名のマルシー・バンデュセン選手。高校時代に対戦した時は圧勝した相手です。

その時も今回と同じように「負けるはずはない」といった空気がありました。しかし、吉田選手はバンデュセン選手に負けてしまったのです。その時のインパクトは、今回のリオオリンピックと同様のものがありました。

それは、2219日ぶりの敗戦でした。