テレビの歴史とともに歩んだ60年 黒柳徹子と大親友たちの絆

2016.9.2 17:29配信

 昨年の5月、放送1万回を達成し、「同一司会者番組の最多放送回数記録」というギネス世界記録に認定されたトーク番組「徹子の部屋」。今年40周年を迎えたこの長寿番組の司会を務めるのは、もちろん、女優であり、タレントの黒柳徹子だ。日本のテレビ草創期からさまざまな番組に携わり、今なおレギュラーの「徹子の部屋」や「世界ふしぎ発見!」への出演を精力的にこなすなど、第一線で活躍。また、テレビ業のほかにも、エッセーストやユニセフ親善大使としての顔も持っている。

 そんな黒柳が1981年、48歳のときに書き上げたのが自伝的小説「窓ぎわのトットちゃん」だ。自身の少女時代をみずみずしく描いたこの作品は、累計800万部を記録し、世界35カ国で翻訳される大ベストセラーになった。また、その続編ともいえる「トットチャンネル」を3年後の1984年に出版。ここでは、黒柳がNHK放送劇団に5期生として入団し、まだ黎明期のテレビ業界において、さまざまな失敗を乗り越えながら、個性派女優として成長していく自身の姿を描いている。まさに、テレビとともに歩んできた黒柳だが、そこには、多くの人の支えや励ましがあったことを本人自身が語っている。

 昨年発売された自身の最新刊「トットひとり」には森繁久彌、渥美清、向田邦子、坂本九ら、昭和を代表する大スターたちとの交流が描かれている。黒柳に会うたびに、「1回どう?」と誘ってくる森繁に対し、黒柳は「いつまでも言ってくださいね」と返していたという。黒柳とともに、テレビの世界を作り上げていった森繁が「徹子の部屋」の記念すべき第1回のゲストだったことは有名な話だ。

 また、「男はつらいよ」の寅さんで知られる渥美清や、歌手で俳優の坂本九、女優の沢村貞子や森光子らとは、NHKのドラマ「若い季節」で共演し親交を深めた。特に渥美とは、「兄ちゃん」、「お嬢さん」と呼び合う仲だったという。

 また、今年の7月7日に亡くなった放送作家でありタレントの永六輔とも親交が深かった黒柳。60年来の盟友の死に、次のようなコメントを寄せている。「永六輔さんとは、60年以上のお友達になります。その間、1回もケンカをしたことがありません。永さん、長いこといいお友達でいてくださってありがとう」(一部抜粋)。

 そして、その5日後の7月12日には、同じく大親友だった大橋巨泉も死去。くしくも同年の2月に2人を「徹子の部屋」のゲストに迎えたばかり。「私の大好きな永六輔さんと大橋巨泉さん」という黒柳の一声から始まった2月の放送では、2人とのトークに、黒柳は、何度も声を詰まらせていた。

 60年以上もの間テレビの世界を見つめ続け、そして、たくさんの親友たちとの出会いと別れを経験。そんな、テレビそのものともいえる彼女の半生が「トットてれび」というドラマになり、今年の4月から6月にかけ、全7回にわたってNHK総合で放送された。「トットチャンネル」と「トットひとり」をベースに、黒柳が女優としてデビューしてから「徹子の部屋」がスタートするまでを描いたこのドラマ。

 黒柳役を務めたのは演技派女優の満島ひかり、そして、渥美清を中村獅童が、森繁久彌を吉田鋼太郎が演じた。この配役には黒柳も太鼓判。「私を演じてくださった満島ひかりさんは、私がときどき本当の自分か、と思うくらい、生き生きとしてらしたし、渥美清さんの獅童さんは、回を重ねるごとに、本当の兄ちゃんのように見えました。私に生涯『1回どう?』と言い続けて下さった森繁さん=吉田鋼太郎さんは、女好きの昭和の大スターを見事に懐かしく、よみがえらせて下さいました」と、手放しで褒め称えている。

 また、このドラマでは、細部を徹底的にこだわり、各番組のセットも完全再現された。「私がお伝えした通りに、作られていました。『徹子の部屋』のセットも、寸分たがわず再現されていて、『ザ・ベストテン』も、ミラーゲートやランキングボードも、久しぶりに見て、テンションあがりました」と、黒柳もその出来栄えには驚いたという。また、黒柳自身が特殊メイクを施した100歳の黒柳徹子役で出演したことも、大きな話題となった。

 そんな「トットてれび」がDVDになり、11月23日に発売される。当時の映像を見ることすら難しい現在、このドラマはその時代の空気の一端を感じることのできる、貴重な1本になりえるのかもしれない。

「トットてれび DVD-BOX」
発売:11月23日
価格: 7600円(税別)
発行:NHKエンタープライズ
販売元:ポニーキャニオン

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