3人の女子の胸きゅんポイントは?

――映画は太田の恋の行方も見どころですが、それぞれの“女子のキュンときちゃうところ”を教えてください。

田中:
聞かれた時に毎回コレって決めているものがあるんですけど、子供っぽい面がある女性が好きなんです。

例えば一緒に食事をしていて、相手が食べている時に「美味しい?」って聞いたら、口の中に食べ物があるから喋れないじゃないですか。

だから口を開くわけにもいかないけど、美味しいからモゴモゴしつつ「おいひい!」って答えちゃう子が好きです。

ジェシー:そんなんみんな言うじゃん。うちのばあちゃんでも言うよ。

田中:でも、「ちょっと待って」みたいな素振りすることもあると思うんですよ。

それが大人の女性として正しいんでしょうけど、思わず聞かれたからすぐ答えちゃって、「あ、危ない」ってなるくらいの子が好きです。ギャップがあったり、内面が子供っぽい子が好きですね。

――松村さんはいかがですか?

松村:
学校とかでなんとなく1人で本を読んでる子……。

ジェシー:それお前じゃん。自分のこと?(笑)

松村:違う(笑)。でも似た人の気持ってわかるから、つい惹かれるというか。

1人でいるんだけど、みんながワーッとどこかに行くと、一瞬チラッと気にしたり、なんとなくいろんなところにアンテナ張っておこうってしている子。

それで、一瞬寂しそうな顔したらやっぱり心配になるし、そういうところに惹かれますね。

田中:へ~、俺と逆だね。みんなでワーッてなったときに、一緒にワーッて来てくれる人が好きだから。

――みんなタイプが違うんですね。ジェシーさんは?

ジェシー:地元の図書館に映画を観れる部屋があるんですよ。

小学2年くらいのときにみんなで『学校の怪談』を観た時に、気が強そうな女の子も一緒にいて、その子が「キャー!」って俺にしがみついてきたんです。それにキュンキュンして。

普段は強がってるんだってキュンとしました。

――高校生時代にしたかった理想のデートは?

ジェシー:観覧車に乗りたかったです。遊園地行ったり。

田中:俺は制服でプリクラ撮ってみたかったです。

松村:あー! いいこと言うな! それで俺はベタだけど、そのプリクラをiPhoneケースの裏とかに貼るとかやりたかった。

田中:いいね! プリクラの落書き書いてる時に、「下手くそ!」って言われたり、そういうやり取りやりたかった~! あとテスト前に教室で居残り勉強とか一緒にやりたかった。

そういうベタなのですかね、憧れるのは。

欲しい特殊能力は?

――今回、作中ではみなさん特殊能力がありますが、作品とは別に、欲しい能力は?

田中:俺は瞬間移動。なんでも出来ちゃうよね。

今日の現場の入り時間の5分前に起きても間に合っちゃう。どこにでも移動できちゃうわけじゃないですか。ちょっとハワイ行きたいなって思ったらシュッて瞬間移動もできちゃうし。

でも、ずっとちっちゃい頃から、瞬間移動とか、映画の『スパイダーマン』に憧れて、手首から糸が出てこないかずっと練習したりしてました。

松村:出るわけないじゃん(笑)。

田中:出るわけないんだけど! あれ(作品)があるってことは、たぶん出るんだよ、誰かが!

松村:万が一出たらってことね。

田中:あの作品の設定でも1人しか糸が出せる人はいないじゃん? だから世界中に1人は出る人がいるかもしれない、それが俺かもしれないから。

松村:万が一、自分だったらまずいから練習しておこうってことか。

田中:あと小さい頃は、かめはめ波とかアニメの技の真似をしたりとか、そういうのは今でもちょっと憧れますね。

ジェシー:僕は物になる。いろんな物の気持ちになる。例えばコップの気持ちになったり。

田中:全然意味がわかんないんだけど(笑)。なればいいじゃん、コップの気持ちに。

ジェシー:でもこのままじゃなれないじゃん! だからそういう時にコップになれたりとか、テレビになれたりとか。全部の物になる。

田中:そもそもコップになりたい?

ジェシー:なんでもいいの。全部の気持ちを知りたい。

だってコンクリートだったらずっと踏まれてるんだよ。かわいそうだよ。

どういう気持なのか、俺は知りたい。人間てやっぱり幸せなんだってなるじゃん。

松村:僕が面白そうだなって思うのは、違う人になるとか。

例えば、部屋で1人で椅子に座っている時だけ違う人になれる(他人の感覚を知ることができる)。

樹になろうと思ったら樹の中に入るんだけど、気持ちや思考とか動きは全部樹(のまま)なんですよ。

自分の思考だけが自分の体から離れて他の人の中に入って、その人の感覚の記憶を持ったまま、自分の体に戻ることができる。そういうのでいろんな人になってみたいなって。

――いろんな人の感覚や生活を体験したいんですか?

松村:
そうですね。工事現場で炎天下の中、1日中働いてみたりとか。それを俺が実際に働いたら、ただ単に“働いている俺”だから、“働いている人”になりたいんですよ。

それで自分に戻ってきた時に、「大変なんだな」ってその人の背景含めいろいろ感じるところがあると思うので、11人、1年で300人近い人になってみたいです。

3人も戸惑った、急に入るPVに注目!

――映画で注目して欲しいポイントは?
 

©2016「バニラボーイ」製作委員会

田中:笑いのシーンはその都度入ってくるんですけど、その合間に真面目なシーンや泣けるシーン、友情の熱い瞬間だったりがあるので、そこで青春を感じられたりするんじゃないかな。

笑いがあっての真面目なシーンが自分は好きですね。

松村:僕は一瞬入るPVですね。

ジェシー:あれキツかったよね、急に「次の日PV撮るから」って言われて。

いきなりみんなカッコつけてるじゃん。

田中:「音楽流すから、はい、カッコつけてー」って言われて、テーブルにパスタとか置いてあって、どうすればいいの?みたいな。

松村:「歌ってない時は基本パスタ食べて」みたいな感じだったよね(笑)。

「でも、カッコよくね!」って言われて、パスタかっこ良く食べるって難しい……。

あのシーンはある種ミュージカルみたいなものなので、僕はそこが注目ポイントです。

ジェシー:僕はひたすらパドリングや走りを観てもらいたいです。映画では短くなっているけど、けっこう1日中走ったりしていたので。

監督も「あと30秒」って言ったのに「あと2分」になったり、いじめてきたので、本当に部活みたいでした。ほんとに辛いんだろうな、って目で見て欲しいですね。

田中:同情して欲しいんだ(笑)。

――ありがとうございました!

わきあいあいとした3人の雰囲気が劇中にも現れている映画『バニラボーイ』。真面目にバカをやる、ひと夏の青春ムービーは男性にもオススメです。