例えば、友達のものを「自分のものだ!」と言い張ったのは、「友達が先に自分のものを盗ったから」という理由があるのかもしれません。

まず、子どもの言い分も聞いてあげましょう。

子どもが正直に打ち明けた時に厳しく叱る

親は、子どもが嘘をついたことを厳しく叱らなければと思いがちですが、実は逆効果の場合も多いのです。

最近の研究では、厳しい親の子どもほど、親からの叱責を逃れるために嘘をつき、しかも嘘がだんだん上手になっていくというものや、規律の厳しい学校の生徒とおおらかな学校の生徒に対しての実験では、厳格な学校の生徒は非常に素早く上手に嘘をついたという結果が出ています。

厳しくされればされるほど、叱責から逃れるために嘘が上手になるという皮肉な結果です。

嘘を責めるより、正直に告白したことを褒めよう

人間は必ず嘘をつきます。

嘘をついたけどバレなかった、嘘をついたら叱られなかった、嘘をついたら褒めてもらえた、嘘をついたらご褒美をもらえたなどという経験は、子どもにとって決してプラスにはなりません。

子どもが嘘をついた時に大切なことは、「嘘をついてはいけない」と教えることです。

逆に言えば、嘘をついた時が、「嘘をついてはいけない」という大事なことを教えるチャンスなのです。

嘘つきは本当のことを言っても信じてもらえなくなります。

子どもには、「あなたが物を壊したことより、嘘をつかれることのほうが悲しい」とか「人のものを盗ったのはよくないけど、正直に話してくれて嬉しい」などと言ってあげるといいでしょう。

嘘をつかないことと同時に、正直に話すことも大切なのだと教えてくださいね。

「元日本航空CA、英語プリスクール経営者、保育士。幼児教育研究家として『日本欧米いいとこどり育児のススメ』をYouTubeでも発信。著書に『グローバル社会に生きる子どものためのしつけと習慣』『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』『モンテソ―リ教育で伸びる子を育てる』、『ホンマでっかTV』に子ども教育評論家として出演など。」