『ナビスコカップ』2年連続ファイナリスト、『天皇杯』V2とノックアウト方式のトーナメントに無類の強さを発揮するガンバ大阪。写真は遠藤保仁 ©J.LEAGUE PHTOS

『2016JリーグYBCルヴァンカップ』4強が決まった。10月5日(水)・9日(日)に開催される準決勝に横浜F・マリノス、ガンバ大阪、浦和レッズ、FC東京が駒を進めたのだ。ここで8月31日・9月4日に行われた準々決勝の戦いぶりを振り返ってみたい。

攻める大宮は横浜FMの勝負強さに屈す

横浜FM×大宮アルディージャはまずホームの大宮が2-1で先勝し、第2戦を1-0で取り返した横浜FMがアウェイゴールの差で勝ち上がった。

勝敗のポイントは横浜FMの守備ラインの位置となった。1stレグで横浜FMは後ろに重心を置き、大宮に圧倒された。初戦の反省を生かし2ndレグでは高いラインで積極的な守備を敢行。GK榎本哲也のビッグセーブもあり、前半終了間際に挙げたFWカイケのゴールを守り切ったのだ。

大宮としては横浜FMの4倍ものシュートを放ちながら、2-1と勝負を決め切れなかった初戦とFW家長昭博を第2戦で欠いたのが敗因となった。

(写真左より)榎本哲也(横浜F・マリノス)、カイケ(同) ©J.LEAGUE PHTOS

第2戦でG大阪が広島を6-3で粉砕

G大阪×サンフレッチェ広島は、アウェイでの初戦で大卒ルーキーFW呉屋大翔のゴールで1-1に持ち込んだG大阪が第2戦に大爆発。FW長沢駿と1shレグは温存されたMFアデミウソンがそれぞれ2ゴールをマークするなど、6-3。2ndレグ開催前までの1年間の公式戦直接対決で3勝2分3敗と互角の戦いを展開してきた広島をG大阪がねじ伏せたのだった。

試合後、長谷川健太監督は「アデミウソンと長沢が2点を取って、呉屋も途中出場し、阿部(浩之)にアシストするなど、前線の選手に当たりが出てきた。後ろとすれば、我慢すれば前線が点を取ってくれるという戦いにつながっている」とアタッカー陣を評価した。

アデミウソン(ガンバ大阪) ©J.LEAGUE PHTOS

浦和・ミシャの危惧は杞憂に終わる

浦和×ヴィッセル神戸は、第1戦にアウェイで浦和が2-1と先取したが、ペトロヴィッチ監督は「非常に腹立たしい試合。4、5点を取って試合を決定付けなければいけないゲームだった。際どい試合にした後の2ndレグは非常に危険」と怒りを表した。

第2戦はそのペトロヴィッチ監督が29分に退席処分となる緊急事態に……。それでも浦和イレブンは慌てず騒がず。第1戦で先制弾を決めたMF高木俊幸が2ゴールをマークするとともに、PK獲得となるファウルを誘うなど大活躍。

GK西川周作、DF槙野智章(負傷で辞退)、遠藤航、MF柏木陽介の日本代表を欠く浦和が2試合合計6-1と選手層の厚さを見せ付けた。

高木俊幸(浦和レッズ) ©J.LEAGUE PHTOS