松下優也 撮影:川野結李歌

音楽劇「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -case. 剥離城アドラ-」のプレビュー公演が12月15日(日)に上演され、本公演が12月19日(木)に開幕する。主人公ロード・エルメロイII世を演じる松下優也に話を聞いた。

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本作は、三田誠による同名小説『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』の初舞台化。総合演出をウォーリー木下、脚本を斎藤栄作、演出を元吉庸泰、音楽を和田俊輔が手掛ける。果たしてどんな作品になるのか。

松下は「この作品は音楽劇で、ミュージカルのように“感情”を音楽で表現するのではなく、“空間”を音楽で表現しているイメージ。和田さんの音楽が『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』を立体化していると感じています」と明かす。作品の舞台は魔術世界で、その表現もウォーリー演出ならではのものがあると言い、「客席で『あれ、どうなってるの?』とおもうと思う。舞台ではなかなかないイリュージョン的な演出がたくさんあります。僕も稽古場で驚いていますが、お客様もきっと驚くはず。ワクワクします」と明かす。

自身の演じるロード・エルメロイⅡ世については「表面的にはクールだけど、実は人間味あふれたキャラクターだと思います。他の登場人物は天才ばかりですが、彼はそうじゃない。そこが魅力です。今、演じるうえで苦労しているのは台詞です。知識豊富なぶん言葉も難解ですし、この世界特有の表現も出てくる。彼は説明ばっかりしてるので(笑)、なかなか大変ですが、ただ台詞を覚えるだけではお客様には伝わらない内容だと思うので、僕が頭の中で映像が浮かべながら話せるくらいまで落とし込む必要がある」と大変そうだがどこか楽しそうに語る。

本作では座長を務め、稽古場でキャストやスタッフと和やかにコミュニケーションを取る姿も印象的だった松下。11月にデビュー11周年を迎えたが「今改めて成長したいと思っています。直感でいいものができることもありますが、僕は確実にいいものを届けていきたいから、常に真摯に向き合うことを大切にしたい。芝居や歌やダンスが純粋に好きですから」と語り、本作とも真っ直ぐに向き合う。どんな舞台が完成するのか期待して待ちたい。

「今回は、原作の小説や漫画を読んで観ていただくと倍以上楽しめます!『あの魔術がこうなるんだ!』という再現度も楽しめるので」と松下がオススメする本作は、プレビュー公演を12月15日(日)に千葉・市川市文化会館 大ホールにて上演後、本公演を12月19日(木)から23日(月)に東京・なかのZERO 大ホール、さらに大阪、福岡を巡演し、2020年1月17日(金)から19日(日)まで東京・新宿文化センター 大ホールにて上演。

取材・文:中川 實穗

スタイリスト: 鹿野 巧真
【衣装協力】
YOKE
Enharmonic TAVERN