盛り上がりを見せる“トロント映画祭2016”開幕前夜の様子

カナダ最大の都市トロントで開催される“第41回トロント国際映画祭(TIFF)”が、現地時間の9月8日にスタートする。開幕前夜からすでにイベントなどが行われ、映画祭事務所のあるキング・ストリート周辺は、熱気に満ちている。

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近年、トロント映画祭での反響は、オスカー予測に欠かせない重要な要素となってきた。過去に『それでも夜は明ける』『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』などの作品が、同映画祭で観客賞を受賞し、オスカー作品賞につなげている。

今年も、期待作が多数ラインナップされている。観客賞の期待が最も持たれるのは、『セッション』のデイミアン・チャゼルの監督第2弾『ラ・ラ・ランド(原題)』。すでにベネチア映画祭でプレミアし、大絶賛を得ている。トロント映画祭は、北米プレミアとなる。ライアン・ゴズリングとエマ・ストーン主演のミュージカルで、L.A.を舞台とするラブ・ストーリーだ。また、1月のサンダンス映画祭で観客賞と審査員賞をダブル受賞したネイト・パーカー監督作『The Birth of a Nation』もワールドプレミアされる。サンダンス映画祭での大絶賛ぶりは大きなニュースとなり、来年のオスカーの有力候補かと騒がれたが、ここ数週間、パーカーの過去のレイプ事件関与が浮上し、影を落としている。それでも、パーカーとキャストの記者会見が決行されることになり、会見でどんな発言が出るのか、強い関心が寄せられている。

ほかの北米プレミアには、ナタリー・ポートマンがジャッキー・ケネディを演じるパブロ・ラライン監督の『Jackie』、シャイア・ラブーフ主演、アンドレア・アーノルド監督の『American Honey』、ジェフ・ニコルズ監督の『Loving』、トム・フォード監督の『Nocturnal Animals』、ジム・ジャームッシュ監督の『Paterson』、ポール・ヴァーホーヴェン監督の『Elle』などがある。

ワールドプレミア作品は、ニコール・キッドマン、デヴ・パテルらが出演する『Lion』、オリバー・ストーン監督、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演の『Snowden』、フランシス・コッポラの妻でソフィアの母エレノア・コッポラが監督する『Paris Can Wait』、ユアン・マクレガーの監督デビュー作『American Pastoral』、レオナルド・ディカプリオが製作した環境問題のドキュメンタリー『The Turning Point』など。受賞発表は9月18日(現地時間)。現地からのレポートを、明日から連日掲載していく。

取材・文・写真:猿渡由紀

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