『幸せへのキセキ』を撮影中のマット・デイモン、スカーレット・ヨハンソン、キャメロン・クロウ監督

マット・デイモン主演の感動ドラマ『幸せへのキセキ』が6月8日(金)から日本公開される前に、本作を手がけたキャメロン・クロウ監督のコメントが届いた。

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本作は、最愛の妻を亡くし、悲しみから立ちなおろうと郊外に家を購入した男ベンジャミン(デイモン)が、家の“オマケ”としてついてきた閉鎖された動物園の再生を通じて、家族との絆や自身の人生を取り戻すまでを実話を基に描いた感動作だ。

クロウ監督は『あの頃ペニー・レインと』や『エリザベスタウン』など数々のオリジナル作品を手がけてきたが、本作の物語を読み「この話が僕の頭や心から離れなくなった。妻キャサリンに先立たれた悲しみのさなか、人生の岐路に立つ男の話だ。彼はまだ妻を愛している。脚本の中に描かれた喪失感について象徴的に表現したところが好きなんだ」と振り返る。これまでもクロウ監督作品では、喪失と再生が繰り返し描かれてきたが、実話を基にした本作でもクロウ監督がこだわり続けるモチーフはしっかりと描かれている。もちろん、クロウ監督らしいユーモアも健在だ。「笑ったかと思えば、20分後には胸が張り裂けんばかりの悲しい場面。でもその悲しみの一方でまた笑うことができる。そういうものすべてを描いた映画が好きなんだ」。

本作の主となる物語は、捨てられていた動物園の再生だ。彼らは困難と危機を乗り越え、団結を深め、動物園の再オープンに取り組む。クロウ監督はキャラクターの心情を鮮やかに描き出し、観る者にさわやかな感動をもたらす。しかし、本作を観終わった観客は、この映画が単なる“動物園再生チームの成功ドラマ”だけではないと気づくだろう。「動物園は誰もが買うものではないけれど、ベンジャミンと彼の家族が経験することには共感してもらえると思う。彼らが経験することは僕らにも起こりえることなんだ」と力説するクロウ監督は、本作で何を描こうとしたのか? その答えは映画を観てからの楽しみにしておくのがいいだろう。そこで、最後にクロウ監督のメッセージを紹介する。「世の中は喪失感、苦悩、悲しみで満ち溢れていると思う。だから僕はその一歩先を描きたいんだ。人生は生きるに値することに気づいたり、人生って素晴らしいと感じられるものはすべてちょっとした一瞬の中に存在している、というような物語を」。

本作は、少し変わった設定の物語でありながら、誰の心にも響く感動作に仕上がっているようだ。

『幸せへのキセキ』


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