【全日本おっぱいサミット】まとめ~パネリストから一言!

今:では本日の最後に、各ご登壇者から一言ずついただきたいと思います。

林:今日は、お母さん方がすごくキレイだったのが印象的でした。

授乳服とか、スリングとか、私の子育ての時代とは違うものがあって、その一方で「密室」という環境は変わっていないようなので、さまざまな選択肢を活用しながら、また鉄が不足するとダメだとか、そういう新しい知識を入れながら、自分の得意な方法で、世界を広げてゆくことが大事かなって思いました。

あと加納さんの映画を観て、すごい新鮮だったのは、共同保育人の方が「人の子だから子育てができる」って言われていたこと。

「自分の子だから」とか「人の子だから」というのじゃなく子育てに参加できるような社会体制づくりみたいなものがあったら、子育てってもっと楽になるのかなって思いました。それが今日一番の収穫です。

村上:お母さんにかかっている“呪い”が四方八方からたくさんあって、それを打破するのに「共同保育」というか、ある程度の距離感のある、いろんな立場の人がみんなで子育てをするっていうのは、本当に、お母さんを自由にする手段のひとつだなぁと、すごく思いましたね。

今:ちなみに「AsMama」っていう会社が、1歳から、子どもを預かり合う仕組みを作っています。1時間ワンコイン500円で、お互いに預かり合いましょうっていうコミュニティがあるので「アズママ」で検索してみてください。

村上:あと時間がなくてあまりお伝えできませんでしたけれども、皆さん、きちんと肉・魚・卵、動物性のたんぱく質を摂って、鉄分不足にならないように、健康に気を付けてください。

今:栄養、大事ですね!

樋口:自分は「密室育児」的な環境にあったのですが、それで得られたものなんかは「何もない」んで、どうぞ皆さん、外へ出たりとか、声をあげたりとか、してください。

頼れる人をなんとか、SNSでもいいですし、近場の友だちでも、つながって、来てもらうとか、とにかく、手を貸してもらってください。

あと子育てに100%の正解とか、絶対的な答えというのはないので、人から「それは良くないよ」とか言われても、一々一々ひとつひとつ気にすることもないと思います。手が抜けるところは、ほんと手を抜いて全然、僕はいいと思います。

まずは、声をあげてゆきましょう。いろんなことに対して、黙っているのではなく。ガマンする必要はない、と思います。

今:いま少子化の時代に入っているから、お父さんお母さんも一人の子どもを「どうしよう」っていう風に悩んでいる方も多いと思うんですけど。

「共同保育」っていう風に大掛かりにならなくても「子育て体験しませんか」っていう、インターン募集みたいな、オーディションみたいな感じでやったら、月2回だけでも来てもらえたら、かなり楽になりませんか。

特に東京みたいに人の多いところだと、自分の必要な人材もセレクトできるから、そういうのがこれからあってもいいんじゃないかと。そうすると“子育て人”も自然に増やせるのかなって気がしますよね。

では最後、加納さんにまとめていただきましょう!

加納:大事なことは、皆さんが言ってくださったと思うんですけど。

特殊な環境で育てられた子どもに対して「子どもがかわいそうじゃないか」みたいなことを、ネットだけじゃなくて、いろんなところから言われがちな気が、すごいするんですけど。

「沈没家族」ってそれこそほんと、だらしない大人たちもいたけど、たくさんの大人で育つっていう環境でも、僕としては別に、むっちゃグレたつもりもないし、めっちゃダメだとも思わないし「すごく楽しかったな」っていうことを、当事者として言いたいので。

子どもは育つ時は育つと思いますし、周りから「自己責任」だとか「人に迷惑をかけるな」だとか、そういうプレッシャーをあんまり気にしないでも、子どもは育つと思います。

そういうことを、ひとつずつ、当たり前にしていけたらいいな、と思います。

今日は、ありがとうございました!!!

第3回【全日本おっぱいサミット】は、こうして大盛況のうちに幕を閉じました。

帰りがけに来場者にインタビューしたところ、一児のパパからは「妊産婦の自殺率の高さと、男性の産後うつの多さに驚きました」、また子育て支援活動をしている方からは「宇宙飛行士とママとの共通点や、オキシトシンには『ふれあい』が不可欠といった情報は、明日からでも即活かしたい」、さらに興味があって参加したという大学生からは「社会問題としてその深刻さに驚きましたが、将来に役立つ話が聞けました」といった声が聞かれました。

あなたは、今回のルポを読んでいかがでしたか。「広い宇宙に、ママひとり?」と感じてしまっているママが、ひとりでも、ふたりでも「密室育児」の扉を開け放つ鍵を見つけて、赤ちゃんと、家族と、幸せな時間を過ごせますように!!!

宇宙飛行士とママは似ている「閉鎖環境で人の心と身体はどうなってしまうのか」【全日本おっぱいサミット】ルポ前編から読む

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。