<この価格にはワケがある!>第2回 サンディスク「エクストリーム プロ」

2012.6.1 19:00配信
サンディスク マーケティング部の大木和彦ディレクター

「メモリカード」と聞いて、まずサンディスクの名を思い浮かべる人は多いだろう。特にデジタルカメラで使うメモリカードでは、「サンディスクのカードを選べばまず安心」という神話とも呼べる認識がユーザーのレベルを問わず浸透しており、プロカメラマンのファーストチョイスにもなっている。

そんなサンディスクのトップブランドが、「エクストリーム プロ」。“究極”を意味するエクストリームシリーズの最高峰であり、転送速度は最大100MB/秒(※1)、UDMA 7対応によってプロ向けデジタル一眼レフのポテンシャルをフルに引き出す(※2)、文字通りの究極の一枚だ。それだけに、価格は普及モデルの倍以上。しかし、この価格には、当然ワケがある。今回は、そんな「エクストリーム プロ」を開発・販売するサンディスク本社を訪問し、マーケティング部の大木和彦ディレクターにお話をうかがった。

※1)コンパクトフラッシュモデル 128GBの場合

※2)コンパクトフラッシュモデルの場合

●いかにタイムラグをゼロに近づけるか

──まずは、サンディスクの数あるメモリカードのなかで、「エクストリーム プロ」の位置づけを教えてください。

大木 サンディスクの最高峰に位置するカードで、スピード感を表現するためのブランドネームが「エクストリーム プロ」です。プロフェッショナル向けの製品だと思われるかもしれませんが、私たちとしては、初心者からベテラン、プロまで、すべてのユーザーに使ってほしいと思っています。

──なぜでしょうか。

大木 デジタルの世界での快適性とは、「いかにタイムラグをゼロに近づけることができるか」を突き詰めていくことから生まれます。現状では、どんなに性能のすぐれたカードを使っても、タイムラグは発生する。そして、そのタイムラグはさまざまなストレスをユーザーに与えます。単純なことですが、タイムラグが小さければ小さいほどユーザーは快適です。ですから、初めてデジカメを使うユーザーにとっても、いいメモリカードの恩恵は十分に感じられると思います。

──なるほど。快適さの基準は経験や技量を問わない、と。

大木 さらに、書込み速度が高速なら、連写撮影などの直後でもカメラが即座に撮影可能態勢に移行できるので、シャッターチャンスを逃すことも少なくなります。そしてなによりも、「エクストリーム プロ」のような高速メモリカードなら、RAWでの連写にも余裕をもって対応できます。「カメラにRAWモードは搭載されているけど、撮影時の書込み時間が長すぎて敬遠していた」というユーザーにも、RAW本来の高い映像クオリティが楽しめるようになるのです。「エクストリーム プロ」は転送速度も速いですから、PCへのデータ転送もかなり快適になりますよ。特にUSB 3.0に対応するPCを使っている方なら、転送は快適です。

──確かに、転送速度が遅いメモリカードを使ったときのRAWモードのモタつき感は、かなりのストレスになりますね。そうしたものが解消するなら、プロやハイアマチュアでなくとも、もっと積極的にRAWモードを使ってみたいというユーザーも増えるでしょうね。

大木 「エクストリーム プロによって高品質がもっと身近になる」ということです。もちろん、これまで通りプロやハイアマチュアにもどんどん使ってほしいのは、いうまでもありません。プロ向けのデジタル一眼レフは高画素ですから、RAWモード1枚の撮影データだけで40MBを超えることもあります。また、なかには連写性能もRAWで100コマ連写ができるモデルがあるなど、“モンスターマシン”と呼ぶにふさわしい性能をもっています。その性能を生かすには、「エクストリーム プロ」のような高性能なメモリカードは不可欠です。

●常に業界最速を狙う孤高のスピリット

──「エクストリーム プロ」のこだわりとは。

大木 常に“世界最速”を目指していることです。

──確かに、常に“世界最速”の口火を切るのは、いつもサンディスクですね。2009年に登場した「エクストリーム プロ」の600倍速モデル(コンパクトフラッシュ)しかり、CES 2012において発表した「サンディスクエクストリーム SDXC UHS-I」しかり。

大木 加えて、カメラメーカーとのマッチング検証を徹底して行っています。「エクストリーム プロ」ともなれば、とてつもないパフォーマンスをもったモンスターカメラで使われることを考慮しなければなりませんから、さまざまな試験項目を設けたうえで動作検証を行っています。

──カメラメーカー側も、サンディスクの製品は真っ先にテストしますよね。

大木 それはありがたいことですね。「サンディスク=メモリカード世界シェア1位のブランド」という認識が浸透しつつあって、多くのカメラメーカーがサンディスクのカードで動作確認をしてくださっています。つまり、サンディスクとカメラメーカーの双方が、お互いの製品の動作検証をしていることになり、これによって、より確実で信ぴょう性の高い検証結果が得られています。

──ユーザーにとって、これほど安心なことはありません。特にカメラのメモリカードはフィルムに相当するもので、相性が悪ければ大切な1枚が失われてしまうことになりますから。

大木 そうした意味では、世界最大のメモリカードサプライヤーならではのグローバルネットワークを生かして、カメラで発生したカードの不具合に関する情報が、世界中から即座に入ってくる仕組みをもっているのも、サンディスクの強みです。また、研究・開発から製造に至る一貫体制をもつことで、そこで得た不具合情報をすぐに設計や生産にフィードバックすることができる。サンディスク製品の品質を支える大きな武器の一つだといえるでしょう。

──サンディスクは、品質保証でも高い支持を受けていますよね。

大木 「エクストリーム プロ」に限らず、当社の高速製品は無期限保証です。安心してサンディスクの製品を使っていただきたいですから。

●メモリの基本特許をもつベンダ同士の強力タッグ

──取材などで毎日のようにカメラマンと接するのですが、やはりほとんどの人がサンディスクのメモリカードを愛用しています。

大木 当社で実施したアンケートによれば、プロカメラマンのうち、82.4%の方が「安心のブランド」としてサンディスクのメモリカードを選んでいる。非常に励みになる数字ですね。

──高い信頼を求められる現場で、これだけサンディスクのフラッシュメモリカードが使われている。それを支える技術について聞かせてください。

大木 当社製品の基幹部分となるフラッシュメモリは、東芝とパートナーシップを組んで、三重県・四日市市で開発・生産しており、世界中で販売されているデジタルカメラ、MP3プレーヤー、USBフラッシュメモリなどのコンシューマ製品や、SSD、携帯電話・スマートデバイスなどの組込み製品に使われています。

──昨年夏の四日市工場の第五製造棟のオープニングは大々的に報じられましたね。

大木 東芝とサンディスクは、NAND型フラッシュメモリに関する基本特許を多数もつ企業同士のタッグだけに、この分野に対するリードはさらに広がるものと考えています。

──多くのフラッシュメモリメーカーが、フラッシュメモリとコントローラを別々に調達して生産しているのに対して、サンディスクはその両方を自社開発していますね。

大木 サンディスクは創業当初から、コントローラとフラッシュメモリのモジュール化によるビジネスにフォーカスしてきました。その優位性を信じてフラッシュメモリと向き合い続け、今日の状況をリードしてきた。現在ではフラッシュメモリメーカーもずいぶん増えましたが、コントローラとフラッシュメモリのそれぞれを自社設計のうえで生産し、それを世界規模で販売展開しているメーカーはごく一部です。さらに、全世界のユーザーからのフィードバックが入ってくるので、蓄積されるノウハウも膨大なものになる。だからこそ、世界市場で確固たるポジションを築くことができたと思っています。

──ありがとうございました。

●取材を終えて──

「『エクストリーム プロ』は、プロ用デジタル一眼レフと組み合わせて使うものと思われる方も多いと思いますが、実はコンパクトデジカメで使っても非常に大きな効果があるんですよ」。そう言いながら大木さんが取り出してきたのは、RAWモードが搭載されたハイエンド向けのコンパクトデジタルカメラだ。これにSDXCタイプの「エクストリーム プロ SDHC UHS-I」を入れて、RAWモードで連写すると、すぐに内蔵バッファのフル状態を示すインジケータが点灯する。

普通なら、ここから撮影可能状態に戻るまでにはかなりの時間を要するが、「エクストリーム プロ」が入ったカメラはすぐにインジケータが消え、再び連写可能状態になった。書込み速度の遅いメモリカードでも同じ条件でテストしたが、結果は言わずもがな。明らかに撮影可能状態に戻るまでの時間が違い、その差は思った以上に大きい。なるほど、これなら積極的にRAWモードを使ってみようかという気になる。

プロ向けデジタル一眼レフからファミリー向けデジタル一眼レフやミラーレス一眼、そしてコンパクトデジカメと、あらゆるカテゴリのカメラのポテンシャルをあますとこなく引き出すサンディスク「エクストリーム プロ」。その性能と品質は、サンディスクという世界最大のカードサプライヤーならではの高度なものづくりの体制と、グローバルなスケールでの品質サポート体制、そして「常に世界最速を目指す」という孤高のスピリットに支えられていた。これからますます高度化していくデジタルカメラやスマートフォン、タブレットPCといったスマートデバイス。サンディスクへの期待はさらに大きくなっていく。(写真・文/ITジャーナリスト 市川 昭彦 )

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<連載この価格にはワケがある!>第1回 PFU「Happy Hacking Keyboard」

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