VRが全身麻酔の代わりになる事例もある

レノボ・ジャパンは、ヘルスケア分野の課題解決手段として、VR(仮想現実)などのテクノロジーが貢献しているという国際調査結果を発表した。治療中の痛みを緩和する方法として、全身麻酔の代わりにVR技術を患児に使い始めた米スターライト・バイタリティ・リアリティを事例にあげ、テクノロジーによるヘルスケア分野の課題解決がすでに始まっていることを強調した。

調査によると、テクノロジーはヘルスケア分野を変革する力を持つと世界中で考えられており、全回答者の47%がヘルスケアを変革する上でデジタルテクノロジーが必要であると考えていた。中でも、日本では43%が重要であると回答。ヘルスケアは、テクノロジーによる課題解決が最も期待される分野になった。さらに、調査対象者の84%がヘルスケア分野の課題を技術が解決することに期待していると回答している。

例えば、コロラド小児病院をはじめ、米国内に数百あるスターライト・チルドレン財団提携医療施設では、患児が感じる軽度から中程度の痛みを伴う治療への不安を軽減するため、すでにVRテクノロジーを組み込んだヘッドセットを導入している。これにより、患児の不安な気持ちを和らげ、意識がある状態でも痛みを伴う治療ができるようになったという。

減薬することで回復までの時間短縮も可能だ。通常は全身麻酔下で行われる治療を、全身麻酔の代わりにVRゴーグルと鎮痛剤を使用して成功している。VRのおかげで、病院に行くのを怖がらなくなった子どももいるという。

今回の調査からレノボは、テクノロジーが健康に与えるインパクトを世界中の人々が認識していると結論付けている。特に、個人の健康は、まだテクノロジーによる革新の余地があるとして、テクノロジー企業の多くは、ヘルスケアを含む多くの社会分野でイノベーションと大きな成長の機会を秘めていると分析した。