TGS2016、SIEブースでゲームの最前線を体験

2016年9月15日から18日に千葉・幕張メッセで開催した「東京ゲームショウ2016(TGS2016)」は、4日間の総来場者数が歴代最多の27万1224人と大盛況のうちに閉幕した。

TGS2016でソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、ホール4に一際大きなプレイステーションブースを出展した。中央にステージを置き、取り囲むように試遊コーナーを設置。新作コンテンツなど42作品を出品した。そのうち、10月13日発売の「PlayStation VR(PSVR)」は、対応ソフトとして17作品を用意したほか、発売延期が続く「人喰いの大鷲トリコ」(2016年12月6日発売予定)の映像を流すシアターを特設した。

試遊できるゲームのタイトル数が39作品と充実していることに加え、モーションコントローラや発売未定のガンタイプのコントローラなどの試遊機も用意、多くの人で賑わった。プレイステーションブースのほかにも、ホール10にあるVRブースにも「PSVR」の試遊台を置き、発売日に向けてユーザーを盛り上げていた。

VRで世界征服、「V!勇者のくせになまいきだR」体験記

多くの作品が体験できる中で、最も不思議なタイトル「V!勇者のくせになまいきだR」を体験してみた。PSP用ソフト「勇者のくせになまいきだ」シリーズは今まで2Dのドットで世界が構成されており、PSVR版ではどのようになるのか想像もつかない。

スタッフの案内でVRの特徴であるヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すると、カタンや人生ゲームなどのボードゲームを連想する、仮想の立体ゲームボードが浮かんでいた。振り返っても見上げても古びた壁や貼り紙が見えるばかりで、体験コーナーとは違う場所にいる感覚に感動した。ヘッドホンをつけると周りの音も聞こえなくなり、ゲームの登場人物と同じ視点でプレイできる。

コントローラを渡されたら視界の左にいるキャラクター(魔王)の指示に従い、世界の侵略を開始。魔物の巣を各所に配置し、魔王の拠点を攻略しようとする勇者を撃退する。ある程度魔物の種類が増えると今度はこちらから勇者の拠点へ侵攻、幾度かの衝突後、なんとか勇者の拠点を侵略し、世界を征服した。

2DからVR版になったことで変わったこと、VRならではの特徴ともいえる点を三つ発見した。まず、以前の舞台は平面のマス目だったが、今回はジオラマ的なフィールドで、さまざまな方向角度から見渡せること。次に、2Dにはなかった動作である、視界を動かせること。そして、液晶画面ではなく視界全てがゲーム画面になるので、部屋の中でボードゲームをしているような感覚になること。

「VR元年」ともいわれる今年は、さまざまな製品が登場した。すでに発売したものでは、体験コーナーを設けることでまず何が新しいのか、面白いのかを知ってもらうことから始めている。量販店だと、体験コーナーのスペース確保や運営など壁はあるが、新しい体験を広めるためには重要なものとなるだろう。(BCN・南雲亮平)