ダイアモンド☆ユカイ ダイアモンド☆ユカイ 撮影:森好弘

1992年から日本の観客を魅了し続けている伝説のメガ・ミュージカル『ミス・サイゴン』。 今回、新演出版となった12年、14年の上演から2年ぶりに再登場する。ブロードウェイでは来年上演が決定、映画化も噂される、今、注目の舞台だ。

ミュージカル「ミス・サイゴン」チケット情報

物語の舞台は、ベトナム戦争で陥落間近のサイゴン。エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女・キムと米兵クリスの愛の始まりから、サイゴン陥落でのドラマチックな別離、そして戦後の運命的な再会へ。ベトナム戦争を背景に、国と国に引き裂かれた人々の愛と葛藤と悲劇を壮大なスケールで描く。

今回のエンジニア役は、92年の日本初演から出演する“ミスター・サイゴン“こと市村正親と、前回も出演した駒田一、そして初参加するロック・ミュージシャンで俳優のダイアモンド☆ユカイのトリプルキャストだ。今回でエンジニア役を卒業する市村と同時に、ダイアモンド☆ユカイの初登板も大きな話題。自らオーディションに臨み、ミュージカルの超大作に挑戦することになった彼が来阪、会見でその意気込みを熱く語った。

80年代、RED WARRIORSを率いてロックシーンで活躍、その後も歌手、俳優、最近ではバラエティにと活動の幅を広げている。「ミュージカルは憧れでしたが、別世界」と思っていた彼が、前回の『ミス・サイゴン』を観て「雷に打たれた」。

「ベトナム戦争時代は、ロックが最も熱い時代でもありましたよね。作中の音楽は素晴らしくて、どれもすごい曲。戦争の中で打ちひしがれていく切ないストーリーと、音楽にどんどん引き込まれていって。その中でエンジニアという、一見とんでもないヤツの人生を観ているうちに、オレがここにいる、ダイアモンド☆ユカイそのものじゃないか、と。で、“アメリカン・ドリーム”を歌うシーンで、もう雷に打たれちゃって。今まで自分が30年間ロックをやってきて、表現したいことがこのミュージカルに詰まってる、歌いたい!と思ったんです」。が、できるのか?という葛藤を乗り越え「50才過ぎても挑戦する気持ちはロックだ!」とオーディションに挑戦、見事役を勝ち取った。「うれしいプラス、プレッシャーの固まりです。“ザ・エンジニア”の市村さんと、ベテランの駒田さん、その中でオレ。先輩ふたりと同じことはどう頑張ってもできない。ダイアモンド☆ユカイにしかできない何かで、思いっきり“アメリカン・ドリーム”を歌い倒したい。歌で表現できる喜びを感じながら『ミス・サイゴン』に賭けます」。

超本気、だ。「これは自分の人生の中で一大転機。一期一会と思って、自分が出来るすべてのものをぶつけて行きたい。今見逃すと、ダイアモンド☆ユカイの“アメリカン・ドリーム”は観れないよ!」。各地の劇場で、きっと、これまでにない「ロックなエンジニア」に出会えるだろう。

公演は、東京・帝国劇場にて10月19日(水)から11月23日(水・祝)まで(10月15日(土)からプレビュー公演あり)。その後、岩手、鹿児島、福岡、愛知、大阪でも上演。

製作:東宝

取材・文:高橋晴代

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