VR関連のトピックが充実した「東京ゲームショウ2016(TGS2016)」。現実と仮想空間との接点ツールになるVRマシンはもちろんだが、VR体験のパフォーマンスを最大限に引き上げるデバイスも多く展示されていた。

長年、ゲーミングPCをリードしてきたデルのブースでは、イベントに先駆けて発表したゲーミングPCブランド「ALIENWARE」の新製品をお披露目。イベント中に実施した記者発表会では、VRゲームに要求される仕様を十分に満たすことをアピールし、「VR対応」を宣言した。

「ALIENWARE」の歴史は長く、実に20年前まで遡る。2002年にはゲーミングノートPCを業界で初めて発表するなど、常にゲーミングシーンをリードし続けてきた。

ブランド誕生から一貫しているのは、象徴的なデザイン、厳選したパーツが実現するプレミアムクオリティ、妥協のない設計がもたらすハイパフォーマンス、そして最先端テクノロジが生み出すイノベーションだ。

ALIENWARE製品管理担当のジョー・オムステッド ディレクターは「VRはゲーミングの世界にとってまさに革新だ。究極のゲーミング体験を追求してきた20年の蓄積は、この新しいフィールドでも十分にゲーマーの期待に応えられる」とコメント。「ALIENWARE」の洗練された性能がユーザーにクオリティの高い環境をもたらすことに自信をみせた。

新製品となる「ALIENWARE 17/15」は、VR向け推奨の仕様で構成されていることを示す「Ready For VR」のアイコンを表記。PC向けの2大VRデバイスである「Oculus」と「HTC Vive」の認定も取得しており、ユーザーは安心してVRがもたらす次世代の体験をスタートすることができる。

性能だけでなく、多方面の機能でゲーマーをサポートする点も特徴だ。例えば、キーボード。各キーのスキャンを独立して行う「Nキーロールオーバー」を採用し、複数キー入力時の認識精度を強化。強度や打鍵感もゲーマーが好む最適レベルに調整している。

「ALIENWARE 17」の一部モデルで搭載する「Tobiiアイトラッキング技術」は、ブランドの伝統であるイノベーションを象徴する機能だ。プレイヤーの視線に合わせて画面の輝度やキーボードの照明が切り替わるだけでなく、視線を記録することで、ゲームプレイ中の視線の動きを分析することも可能だ。

ブースでは新製品の展示以外にも、「ALIENWARE」によるVR体験コーナーを用意。ゲーム環境を構築する上で要となる、PCがいかにVR体験がもたらす感動を左右するか、ユーザーに啓蒙していた。

ゲーミングのトレンドを最前線で捉え続けてきたデルは、来たるべきVR時代に対しての準備も万全のようだ。(BCN・大蔵 大輔)