主要3キャリアの大容量データ通信プランの比較

今から2年前の2014年、主要3キャリアは、相次いでスマートフォン向け新料金プランを発表した。国内音声通話は定額、データ通信は利用状況に応じて複数のプランから選び、家族間や同一名義の複数の端末でデータ容量を分け合えるようになった。しかし、電話をあまりかけないユーザーにとっては実質的に値上げとなり、新たに標準となった月5GBのデータ容量では足らず、追加でデータを購入すると料金がかさむなど、不満の声があがっていた。

今年9月、ソフトバンクがデータ通信プランの料金体系を変更し、「ギガモンスター」と銘打って、新たに月20GB/30GBの大容量データ通信プランを発表すると、KDDI、NTTドコモも追従。ヘビーユーザーに限られるが、1GBあたりの単価は下がった。今年2月以降、Androidを中心に販売が伸びているSIMフリー端末と組み合わせて使えるMVNOサービスとの差異化を図る狙いだろう。

・ソフトバンクの「ギガモンスター」の詳細はこちら

従来の月5GBのプランより「1000円上乗せするだけで4倍の容量を使える」というトークは、容量を気にしながら使っているユーザーや、毎月、追加データを購入しているユーザーの興味を引くはずだ。各社とも、低容量プランを含め、さらなる値下げに踏み切るのか、今後の動向が注目される。

auの大容量プランは「スーパーデジラ」、テザリングはキャンペーンで無料

KDDIと沖縄セルラーは、大容量データ定額サービス「スーパーデジラ」の提供を9月15日に開始した。同時に、通常は税別1000円の「テザリングオプション」を2017年4月末日まで無料で利用できるキャンペーンを開始した。

「スーパーデジラ」は、月間のデータ容量が20GBで、税別の月額料金は6000円の「データ定額20」と、月間のデータ容量が30GBで、税別の月額料金は8000円の「データ定額30」の2種類から選べる。余ったデータ容量は、すべて翌月へ繰り越せるが、容量をプレゼントする「データギフト」は利用できない。

例えば、「データ定額20」と「スーパーカケホ(電話カケ放題プラン S)」(税別1700円)と組み合わせると、「LTE NET」の利用料300円を含め、あわせて毎月の税別料金は8000円、「auスマートバリュー」適用時は6590円となる。「カケホ」(税別2700円)と組み合わせた場合は9000円、「auスマートバリュー」適用時は7590円だ。

ドコモも対抗、家族でも一人でも分け合える「ウルトラパック」

NTTドコモは、料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」に大容量データ定額サービス「ウルトラパック」を9月14日から追加した。

「ウルトラパック」は、家族でデータ量をシェアできる「ウルトラシェアパック50」「ウルトラシェアパック100」、1人で利用するユーザー向けの「ウルトラデータLパック」「ウルトラデータLLパック」の4種類。いずれのプランも「ずっとドコモ割」「ドコモ光パック」による割引が適用される。

「ウルトラシェアパック50」は、月間のデータ容量が50GBで、税別の月額料金は1万6000円。「ウルトラシェアパック100」は、月間のデータ容量が100GBで、税別の月額料金は2万5000円。「ウルトラデータLパック」は、月間のデータ容量が20GBで、税別の月額料金は6000円。「ウルトラデータLLパック」は、月間のデータ容量が30GBで、税別の月額料金は8000円。余ったデータ容量は、1GB単位で翌月末まで繰り越せる。

なお、2018年3月末までのキャンペーン期間中は、月額税別1000円のテザリングを無料で利用できる。テザリングを無料で使える期間は、ソフトバンク、auより1年長い。