LINEは使用時間が増えるほど成績低下

横田「そして更に、私も正直驚いたのがLINEなどの通信アプリによる影響です。

スマホの場合と同様に、勉強時間の長さに関係なくLINEの使用時間が増えるほど成績が下がってしまうのですが、スマホよりも下がり幅が急です。

せっかく一生懸命勉強をしてもLINEを使用すると、その分の学力効果は打ち消されてしまうとは……。なんとも予想外でした」

『やってはいけない脳の習慣』P21より

――どんなに勉強してもLINEを長時間使用していたら、使用しない子どもよりも成績が下がってしまうという結果はもとより、LINE等は使うことをやめても、一度使ったことがあれば学力は上がらないという調査結果にも驚きを隠せないのですが……。

横田「受験のためにスマホ断ちするという話も聞きますが、使用禁止で本当に学力が向上するかという調査も行いました。

そこで見えたのは、“たとえLINEをやめても以前に長時間使っていた子どもたちは、成績が上がっていない”という結果でした。

そして、大学生に行った“LINE条件での連続遂行課題テスト”(実験中に、1分ごとにLINEの通知音が鳴る条件と単なるアラーム音が鳴る条件で反応時間の違いを検証)でも集中力の差が顕著に現れました。

  • どんなメッセージがきているんだろう
  • どんな話の話題になっているんだろう
  • 返信しないと嫌われてしまわないだろうか
  • 仲間はずれにされないだろうか

など色々な考えが頭に浮かびやすい人ほど、“社会不安”と呼ばれる傾向が強く、集中力に与える影響が大きいと考えられますし、思春期の子どもたちなら、より強く現れることは容易に想像できます。

そして、脳内で何が起こっているかというと、スマホの使用習慣の強さと前帯状回(注意の集中や切り替え、衝動的な行動を抑えるという機能に関わる領域のひとつ)という部分の小ささが関係していることが分かっています。

LINEを習慣的に長時間使っていると脳の形が変わってしまい、集中力や注意力の低下に繋がると考えられます」