『アングリーバード』を手がけたジョン・コーエン氏

人気ゲームをハリウッドが映画化した3Dアニメーション『アングリーバード』。すでに世界各国で大ヒットを記録している同作を引っさげ、プロデューサーのジョン・コーエン氏が来日し、取材に応じた。「長編アニメの現場は今や、クオリティと興行の両面で最高潮に達している」と瞳を輝かせるコーエン氏は、日本のアニメも大好きだといい「今回登場するベイビーバードのフォルムは、トトロの影響を感じてもらえるはずだよ」と明かした。

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怒りんぼうのレッド、お喋りでお調子者のチャック、体は大きいが小心者のボムの3匹が、いじわるなブタたちに盗まれた大切な“たまご”を取り返すために大冒険を繰り広げる本作。見どころはゲームの映画化という枠を超えて、誰もが楽しめる感情あふれるエンターテインメント作に仕上がった点だ。

「原作になったゲームは、比較的シンプルな設定なので、映画にする際の自由度が高く、オリジナルの要素を盛り込みやすかった。何より力を入れたのはキャラクターだね。魅力的であるのはもちろん、どこか欠点や短所があって、きっと周りにいる誰かを思い出すはず。そんな不完全な登場人物が…、今回は鳥だけど(笑)疑似家族として、友情と信頼を築く姿は、私が製作した『怪盗グルーの月泥棒 3D』に似ているし、本来ヒーローにはなれない彼らが、一致団結することでミッションを遂行するという展開も気に入っている」

本作や『怪盗グルーの月泥棒 3D』に加えて、『アイス・エイジ』『ロボッツ』といったヒット作、アニメと実写の融合に挑んだ『アルビン/歌うシマリス3兄弟』『イースターラビットのキャンディ工場』など野心的な作品を生み出し続けるコーエン氏。最近では『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』も手がけ、大きな話題を集めたばかりだ。

「次のプロジェクトとして、『ガーフィールド』の映画化を進めている。過去にも映画化されているけど、正直出来は良くなかった。今回はオリジナルを尊重した良質な作品を目指しているよ。それに『アングリーバード』の続編も始動したばかりだ。今はアイデアを出し合う段階だけど、とにかく楽しいよ。それって面白い作品が生まれる兆候だからね。まずは日本の皆さんに『アングリーバード』を楽しんでほしいし、きっと続編も楽しみに思ってもらえるんじゃないかな」

『アングリーバード』
10月1日(土)全国ロードショー

取材・文・写真:内田 涼