韓国では珍しい一人しゃぶしゃぶが楽しめる店

『一品堂』のしゃぶしゃぶ肉は韓国産牛の高級部位。脂身が少なくヘルシー

なにごとも分け合うことを美徳とする韓国では、鍋物というと大勢で一つの鍋をつつくのが一般的だ。しかし、ここ数年は一人世帯の増加とともにホンパプと呼ばれる一人メシが定着しつつある。

この店では韓国産牛のしゃぶしゃぶやすき焼きを1人でも楽しめる。各テーブルにIHが備えられ、その上の鍋には日本式に昆布とかつお節でダシをとったスープが入っている。

これに韓国産牛をくぐらせて、ポン酢やゴマダレにつけて食べる。

シイタケ、エノキ、モヤシ、ネギ、カボチャなど、新鮮な野菜がたっぷり添えられるところが韓国らしい。白菜や切り干し大根のキムチも小鉢で付く。

『一品堂』の〆に出るクロレラ麺

〆は茶そば風のクロレラ麺をスープで茹でて食べる。韓国人なら正直肉をおかわりしたくなる量だが、日本人、とくに女性にはちょうどいい量だろう。

『一品堂』の外観。光化門駅8番出口の斜め向かいにある

一品堂
鍾路区唐珠洞16-1 TEL:02-733-4949 10:00~15:00 17:00~22:00 元日休
※店の混雑状況によっては、一人での利用ができない場合もあるが、周辺の会社員が利用する時間帯(19:00~21:00)を避ければ、まず大丈夫

明洞から近い、サムギョプサルの大型店

『南山(ナムサン)サケジョル』の豚肉。赤身と脂身のバランスがほどよく、ひと口で食べられるこの切り方は、肉質に自信がある証拠。『南山(ナムサン)サケジョル』の豚肉は、旨味が逃げないよう店の人が上手に焼いてくれる

韓国の南部にある済州島は、香ばしくて、脂まで美味しい黒豚の産地として有名だ。

この店はその済州産黒豚だけを使っている焼肉ダイニング。日本の旅行者にもおなじみのサムギョプサル15000~19000ウォン(150g)は、独自の窯で下焼きしてから提供されるので、旨味が凝縮されている。

日本のコリアンタウンでサムギョプサルを食べ慣れている人でも、ここの豚肉を体験したら、その香りや食感、味の違いがよくわかるはずだ。サクサク噛めるので、50代以上の人にも喜ばれるだろう。

大型店で、個室もあるので、宴会やグループ利用も可能だ。

『南山(ナムサン)サケジョル』(南山の四季)の店名通り、南山のふもとに位置する。明洞の繁華街に隣接する会賢駅3番出口から徒歩3分ほど

南山(ナムサン)サケジョル
中区会賢洞1街100-49 TEL:02-318-5910 平日11:30~15:00 17:30~22:00 土曜12:00~14:30 17:00~21:00 日祝休

*取材協力:ソウル特別市(市民疎通企画館、都市ブランド担当館)デジタル朝鮮日報

 

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。