【音楽】レポート:東京ドームに響いたMr.Childrenの今と未来（6/6）

先日無事終了した、Mr.Childrenの全国ツアー『MR.CHILDREN TOUR POPSAURUS 2012』。大阪で行われた20周年アニバーサリー公演に続いて、東京ドーム3Days公演の初日の模様をレポート。

写真：渡部伸

気付くとスクリーンには心電図、そして見覚えのある動物の骨のモチーフが浮かび上がる。そこに重なるように真っ赤なつぼみが現れ、大きく花開いていく。そして切れ味鋭いギターが空気を震わせ、『蘇生』が始まった。何度でも、何度でも、僕は生まれ変わって行ける。このフレーズが強い説得力を持って胸に響くのは、これこそがMr.Childrenが辿ってきた道のりを端的に言い表しているからだ。この日演奏されたさまざまな楽曲が、残像のように頭に甦る。Mr.Childrenって、すごいなあ。このバンドがいてくれて、よかったなあ。終わりを目の前にして、バカみたいな感想が漏れた。

本当の最後に演奏されたのは、最新シングル『祈り～涙の軌道』。サビで＜さようならさようならさようなら＞と歌われるこの曲は、お別れの曲としてライブの終わりに相応しい選曲だった。でも自分はこの曲を、別れの曲とは思えなかった。現時点でいちばん新しい曲を奏でるということは、つまり“今のMr.Children”を鳴らすということである。この日のライブの3時間超、そしてバンドと私たちが共に歩んできた20年という時間を経て、みずみずしいMr.Childrenの最新形を目の当たりにすると、欲張りとは思いつつもやっぱりこの「先」が見たくなってしまった。

Mr.Childrenの“これまで”よりも、“今”と“これから”が強い光で照らされたこの日のライブ。20周年という大きな祝福すべき節目を越えて、これからもMr.Childrenと私たちの人生は続いていくのだ。

『MR.CHILDREN TOUR POPSAURUS 2012』5月23日・東京ドーム

Ｍ１エソラ
Ｍ２箒星
Ｍ３ youthful days
Ｍ４ LOVE
Ｍ５ GIFT
Ｍ６ Everything(It’s you)
Ｍ７デルモ
Ｍ８ End of the day
Ｍ９終わりなき旅
Ｍ10 Dance Dance Dance
Ｍ11 ニシヘヒガシヘ
Ｍ12 フェイク
Ｍ13 365日
Ｍ14 くるみ
Ｍ15 Sign
Ｍ16 1999年、夏、沖縄
Ｍ17 ロックンロールは生きている
Ｍ18 Worlds end
Ｍ19 fanfare
Ｍ20 innocent world