『幸せへのキセキ』

マット・デイモン主演の感動ドラマ『幸せへのキセキ』が8日(金)から日本公開される前に、デイモンの最新コメントが届いた。「10年前だったらこの役はできなかった」と振り返るデイモンは、本作のどこに魅力を感じたのだろうか?

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映画は、最愛の妻を亡くし、悲しみから立ちなおろうと郊外に家を購入した男ベンジャミン(デイモン)が、家の“オマケ”としてついてきた閉鎖された動物園の再生を通じて、家族との絆や自身の人生を取り戻すまでを描いている。

映画作家の作品からエンターテインメント大作まで幅広いジャンルで活躍するデイモンが、最新作で演じたのは、妻を失い、男手ひとつでふたりの子どもたちと向き合う父親役だ。「彼が登場した時点で奥さんは亡くなっていて、荒廃した動物園を買い取るという衝動的なことを考えている。子供たちは母親の死を悲しみ、彼も妻の死を悲しんでいて、だからこそ捨て身の行動に出てしまう。そんな状況で決心したのが、子供たちと一緒に動物園を修復して、人生をふたたびやり直そうとすることだったんだ」。

主人公のベンジャミンは、動物園を立て直すだけではなく、家族の関係も修復しなければならない。特に思春期を迎えた息子ディランとの関係は複雑だ。デイモンは時に父として、時に愛する人を失った“同志”として息子と向き合うベンジャミンを演じている。ちなみにデイモンも私生活では妻と13歳の子のいる身。その経験は本作に大きな影響を与えたようだ。「10年前だったらこの役はできなかったんじゃないかな。ベンジャミンがどれほど奥さんを愛していたか理解できなかったかもしれない。それまでずっと様々なことを一緒に夢見てきた人が不意にいなくなってしまったらどう感じるだろう、と想像してみたよ。幸いなことに彼が経験したようなことは僕には起こってないし、今後も起こって欲しくはないけど、愛がどういうものであるかはわかっているから、理解できたよ」。

近年は『グリーン・ゾーン』や『インフォーマント!』『インビクタス 負けざる者たち』など、身体訓練と準備を要する“作りこんだ演技”で観客を魅了してきたデイモンだが、「本作は喜びとカタルシスについて描いている作品。それが僕の心に残った。今やるにふさわしい作品だと思えたんだ」と語る。『幸せへのキセキ』のデイモンは熾烈なアクションを見せることはないが、自身の経験や想像を存分に活かした“心の動き”で観客を魅了している。

『幸せへのキセキ』
6月8日(金)全国ロードショー