新国立劇場演劇『フリック』 (右より)木村 了、ソニン、菅原永二 撮影:谷古宇正彦 新国立劇場演劇『フリック』 (右より)木村 了、ソニン、菅原永二 撮影:谷古宇正彦

新国立劇場2016/2017シーズンのオープニングを飾る演劇『フリック』が10月13日に開幕した。本作は、2014年ピュリッツァー賞受賞作の日本初演。フィルム映写機からデジタル映写機への移行という、デジタル化の波に飲み込まれていくアメリカの寂れた映画館を舞台にした3人の従業員の物語。さまざまな悩みを抱える現代の若者たちが不器用ながらも必死に生きる姿を、リアルかつ切実に描いていく。演出をマキノノゾミが手掛け、木村了、ソニン、菅原永二らが出演。初日前日の12日、マスコミ向けに舞台が公開され、囲み取材が行われた。

新国立劇場演劇『フリック』チケット情報

キャストは開幕直前の意気込みを以下のように語った。

▼木村 了
僕の演じるエイヴリーは黒人で映画オタクで、人とコミュニケーションをとるのが苦手。その彼が映画館のアルバイトでどう成長していくのか?という所がこの作品の肝になります。役作りのために日サロに8回も通いました!でも演出のマキノさんはまだ満足してくれなくて…(笑)。家で鏡を見るたびに「おぉっ…」ってなります。翻訳がとてもきめ細かいこともあって、日本のお客様にもクスッとしていただける場面が多いと思います。楽しんでいただきたいです。

▼ソニン
私が演じるローズは白人の24歳。彼女もある意味コミュニケーションが得意じゃないところがあって、強がってはいるけれど実は愛情に飢えているキャラクター。役作りとしては、初めて鼻ピアスをつけてます。髪も緑色。白人か黒人か、という人種の問題もこの作品の大きなテーマなので、忠実にやりたいと思っています。ほぼ3人芝居なのでセリフの量がすごいのですが……プレッシャーと闘いながら頑張ります!

▼菅原永二
僕の役、サムも白人で35歳。いわゆる“プアホワイト”で、学歴も無く貧しい。田舎暮らしで夢も希望も無いけれど、それでも日々に幸せを感じている、平凡な人物です。僕は腕に大きくタトゥーを入れていますが…了君の日焼けと違ってペイントです(笑)。翻訳モノですが、とても分かりやすい等身大の作品です。

公演は10月30日(日)まで新国立劇場 小劇場にて上演。チケット発売中。