©今井久恵

全人口の6~10%も存在すると言われている“発達障害児”。
クラスの中に2~3人はいるという、決して低くはない確率です。

周りのお友達にそんな子がいるかもしれません。もしかして、あなたの子どもがそうであるかもしれません。

今日は『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』著者の立石美津子が自身の経験をもとにお話したいと思います。

“生まれつき障害を持つ”ということ

私の未来予想図には“障害児の母になる”なんて計画はまったくありませんでした。
2000年ミレニアムベイビーとして記念すべき年に誕生したのに……。くじを引いても当たった試しがないのに……。私のところにやってきたのは人口の1~2%の確率で生まれる“自閉症”の男の子でした。

どんなに医学が進歩しても、障害児はいつの時代も一定の割合で生まれます。
医師からは「お母さん、自閉症は生まれつきの脳の障害で一生治ることはないですよ」と言われました。

落ち込んでいる私をママ友が慰めてくれました。
「子どもは親を選んでやってくるのよ。神様がくださった天使なのよ。立石さんなら育てられるからやってきたのよ。」

子どもは親を選んでやってくる?

私は当時、幼児教室を経営し、幼稚園、小学校、特別支援学校など各種教員免許も持ち、“子育てのプロ”だと思われていたので、こう励ましてくれたのだと思います。

けれども、私は正直なところ、心のなかで「綺麗ごとを言わないでよ。神様に選ばれたくなかったわよ。ああ、くじ運悪い……!」と叫んでいました。

「五体満足な子でありますように。健康で元気な赤ちゃんが生まれますように」……。これから母になる人は願います。誰も好んで「障害のある子を産みたい」なんて思っていません。

だからママ友の親切な言葉は、私にとっては善意の押し売りでした。

育てにくい子の子育てに疲れ果ててしまい鬱病になる人、虐待をしてしまう人だっています。
さらに出生前診断を受けた人のうち9割が堕胎している現実。

ですから、神様は育てられる親を選んで子どもを授けるわけではないと私は思うんです。

障害があっても健常児でも同じ「子育て」

©今井久恵

私の息子は知的障害を伴う自閉症です。ですから、いわゆるグレーゾーンの子どもには当たりません。
(※グレーゾーンとは、アスペルガー症候群などを含む、白か黒か診断の難しい発達障害の俗称)

けれども、健常の子も障害児もその障害程度が軽くても重くても、子育ての根っこは同じだと思うんです。

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