誰しも、いつもニコニコしたママでいたいと思うもの。でも、子どもがなかなか言うことを聞いてくれなかったり、ワガママを言ったりすると、ついイライラしたり、怒鳴ったりしてしまいますよね。

また、社会のルールを守るために厳しく叱ってしつけることは大切だと考える人もいるでしょう。

しかし、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏は、著書『尾木ママの叱らずしつけ21のコツ』の中で、「赤ちゃんだろうが、子どもだろうが叱る必要性はまったくない」といいます。

いったいどうしたら、叱らずに子どもをしつけることができるのでしょうか。

今回は本書の中から、叱らずしつけの実例をご紹介します。

親から叱られた子どもの心に残るのは恐怖だけ!

子どものしつけ=叱ることだと思っている人は多いもの。しかし、まずはこのイメージを横に置くことが大切だと尾木ママはいいます。

もちろん、世の中のマナーや、してはいけないことを教える必要はあります。しかし、ママがこわい顔で「ダメ!」と叱っても、子どもの心には恐怖しか残りません。

叱らずに笑顔で教えてあげればいいのです。

脳科学の研究結果でも、叱ると脳が萎縮してしまうが、笑顔で教えると脳がリラックスして記憶がインプットされやすい、ということがわかっているそう。

叱らない子育ての根幹となるのは、ママの共感力です。

乳幼児期にたっぷり共感された子どもは、大人になっても自己肯定感が高く、前向きで好奇心旺盛に育つといいます。ぜひ我が子にもそんな大人になってほしいですよね。

以下の実例を参考に、今日から叱らずしつけを始めてみましょう!

お友達とのケンカはまず子どもの気持ちに共感する

児童館などで、知らないお友達とおもちゃの取り合いになり、相手の子に噛みついてしまったというケース。相手のママの手前、子どもをきつく叱ってしまう人も多いでしょう。

しかし尾木ママは、どうして噛まなきゃいけない状況になったのか、子どもの目線で考えることが大切だといいます。

こんな場面になったら、ママはしゃがんで子どもと目線を合わせ、「どうしたの?」と声をかけましょう。まだ言葉で説明できない子どもでも、そうすることで興奮した心を落ち着けることができます。

意思疎通ができる年齢の子なら、「お友達のおもちゃで遊びたかったんだよね」などと子どもの共感したうえで、「でも、お友達は噛まれたら痛いよ」とやってはいけないことを伝えます。そのうえで、相手の子どもとママには心から謝ればいいのです。