波多野貴文監督 (C)WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production

ワーナー・ブラザース・テレビジョン製作の世界的人気ドラマ『コールドケース』が、日本版『連続ドラマW コールドケース~真実の扉~』として10月22日(土)より放映される。WOWOWがフォーマット権を獲得したことにより実現したこの日本版では、主演の吉田羊ら豪華キャストが集結し、未解決の殺人事件、通称“コールドケース”の真相究明に立ち向かう刑事たちのドラマが描かれる。本作でメガホンを執った、『SP』シリーズで知られる波多野貴文監督に話を聞いた。

その他の写真

フィラデルフィア市警の面々が未解決事件の捜査に臨むオリジナル版『コールドケース』は、2003年の全米放送開始から7シーズンにわたってオンエアされ、世界的な人気を博した。この本国版について、「とてもテンポ感があって、スピーディに次から次へと物語が展開していく。その中でもそれぞれのキャラクターの生きていた過去が見えてくるのが惹きつけられる魅力のひとつ」と語る波多野監督。「最後にはなぜ、こういう悲しき事件が起こってしまったのか、という真相や当時の人の心情がしっかりと伝わる心地よさがありますし、さらにその心情に当時の名曲が合わさり、スローモーションの中で余韻を残しながら人物像や時代背景を想像することができるんです」

今回の日本版は舞台を神奈川に移し、神奈川県警捜査一課の刑事たちが未解決事件の捜査を行っていく。本国版のヒロインである女性刑事リリー・ラッシュに当たるのは、吉田羊が演じる石川百合というキャラクターだが、「吉田さんには逆に『本国版をあまり観ないでください』と話しました」と監督は言う。「真似をする必要はないですし、本国の刑事のスタンスと日本の刑事のスタンスも違いますから、日本人特有の心情に目を留めることや距離感、吉田さんや僕らの百合像を構築していくことが大事だと思いました」

また、百合のキャラクター像に関してはさらにこう付け加える。「百合には過去のトラウマがあり、そのトラウマを乗り越え、今を生きているからこそ、様々な過去を抱えた人々と丁寧に寄り添える人物として描きました。しかし、時に自分の過去とリンクする事件と出会い、冷静になり切れず、感情の起伏が強く出ることもあります。百合という人物は、決して完璧ではなく、時に矛盾したり間違ったり揺れ動いたりする、そんな人間味のある姿に共感していただけたら嬉しいですね」

『連続ドラマW コールドケース~真実の扉~』
10月22日(土)夜10時よりWOWOWプライムにて放送
(全10話、第1話無料放送)