中村憲剛(川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 中村憲剛(川崎フロンターレ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

2ndステージも残り3試合。川崎フロンターレは年間順位で勝点1差の2位、2ndステージでは勝点6差の3位で首位・浦和レッズを追う。対戦カードを見ると川崎Fは昨季王者・サンフレッチェ広島、1stステージ覇者・鹿島アントラーズ、『天皇杯』制覇のガンバ大阪と厳しい相手を対峙し、浦和は2nd14位・アルビレックス新潟、16位・ジュビロ磐田、6位・横浜F・マリノスと対戦する。

川崎F×広島 チケット情報

しかも、浦和は『2016JリーグYBCルヴァンカップ』を制したばかり。ここ数年、終盤に失速してきた浦和だが、9年ぶりにタイトルを手にし、勢いに乗っている。

だが、川崎Fにも負けられない理由がある。周知の通り、10月12日に今季限りの風間八宏監督退任が発表された。2012年のシーズン途中からの監督就任以来、攻撃サッカーを植え付けてきた指揮官に対し、最後の花道を作ろうと選手たちのモチベーションは高まっている。風間監督の勇退は8月以降4勝4敗、連敗はないが、連勝もない低迷を打破する、これ以上ないカンフル剤となる。すでに『明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ』出場を決めている川崎Fだが、年間1位で最後の決戦へ迎えようとチームは一丸になっているのだ。

失速の原因はハッキリしている。ここ5試合で14失点と守備が崩壊しているのだ。第12節後、守護神チョン・ソンリョンが戦線離脱し、翌節には第2GK・新井章太も負傷を負った。最後の砦の不在も痛いが、守備だけの問題ではない。中盤のパスミスからカウンターを食らっているのだ。この3週間の中断期間に風間監督は攻撃はシュートでフィニッシュする、ボールを奪われたら切り替えを早くする、相手ボールには前線からプレスを懸ける、というこれまで徹底したことを再確認していることだろう。肉離れで広島戦は欠場濃厚だった中村憲剛が全体練習に合流したという明るいニュースも入ってきた。

対する広島も、直近6試合で2勝4敗と調子は上向かない。こちらは6試合で5得点、無得点のゲームが4試合と攻撃力に問題を抱える。ピーター・ウタカ、柴崎晃誠、茶島雄介の1トップ2シャドーは、直近6試合でそれぞれ1点を挙げるのかやっと。復調が期待された佐藤寿人も2ndステージ1得点と結果を残せていない。森保一監督も、この中断期間に強固な守備ブロックからのカウンターを今一度徹底していることだろう。青山敏弘の正確なフィードを前線に当て、サイドにボールを散らし、クロスからフィニッシュするお得意のパターンから活路を見出すのだ。

川崎Fが年間1位奪還へ向けて再加速するのか、広島が前年王者のプライドを見せるのか。『2016明治安田生命J1リーグ』2ndステージ第15節・川崎F×広島は10月22日(土)・等々力陸上競技場にてキックオフ。チケット発売中。