奥田隆司社長

シャープ(奥田隆司社長)は、6月8日、2012年度(2013年3月期)の経営戦略説明会を開催した。コモディティ製品とオンリーワン製品を追求し、世界に通用するビジネスモデルを構築する。

シャープは、電子機器受託生産の世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)グループと資本・業務提携。ホンハイの調達力と生産力を生かして生産リスクを軽減し、また独自製品の創造によって世界で戦う基盤を整えている。

ホンハイの生産力を最大限に活用するのはコモディティ製品。第一弾として、スマートフォンで製品化を進める。奥田社長は、「2013年度から中国でスマートフォン事業を展開していく」との方針を示し、低価格モデルをいくつか投入する予定だ。

オンリーワン製品の創出では、健康・環境分野で開発を進めるほか、ロボット家電などで新しい価値を提供していく。また、奥田社長は、「家電以外の製品で新しい市場の創造を模索する」と述べた。

さらに、「製品だけでなく、ハードとサービスを組み合わせたビジネスにも力を入れていく」という。中期的な成長については、健康・環境分野など、重点事業分野の現在の売上比率40%を60%に引き上げるほか、海外事業を現在の50%から70%にする。